「野茂超え」ソフトバンク千賀、鷹の先輩以来のパ「投手3冠」現実味

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆ロッテ0-2ソフトバンク(4日、ZOZOマリンスタジアム)

 鷹のエースに新たな勲章だ。千賀滉大投手(27)が通算1000奪三振。あの野茂英雄(近鉄)を上回るパ・リーグ最速の855回1/3で到達した。8回を9奪三振、無失点で11勝目を挙げた右腕は、今季の規定投球回を満たし、防御率、奪三振、勝利数の3部門でリーグトップに立った。ホークスはあれほど苦手にしていたロッテに7連勝で11勝11敗1分けの五分に。5日の今季最後の対戦で勝てば、全球団に勝ち越しの「完全優勝」だ。

■わずか2安打

 球史に名を刻んだ右腕の声が弾んだ。「出来過ぎだなと。三振も9個狙っていたので、すごくうれしく思います」。今季辛めの自己評価が続いた千賀は、レギュラーシーズン最後の登板で満足できた。

 追い込めば狙うのみだった。3回1死、安田から空振り三振を奪ったところで通算1000奪三振にリーチ。「パ・リーグ最速だということは知っていた」。続く荻野に対し、フルカウントからの勝負球は今季頼りにしてきたカットボール。力みからか少し浮いたが、想定していない変化に反応しきれない荻野のバットが空を切った。

 トルネード投法で日米球界に鮮烈な記憶を残した野茂氏の871回を大幅に上回る855回1/3でリーグ最速の大台到達。「日本の記録とはいえ、レジェンドの方々と名前が載るのはうれしいです」。記念ボードを掲げた剛腕の頬が緩んだ。

 昨年の春季キャンプで視察に訪れた野茂氏と野球談議をした。フォークを武器にした者同士の対話は熱を帯びた。千賀は話し終えても興奮が冷めず「ノートに書かないと忘れちゃう」とロッカーに走って戻っていった。「存在がデカすぎて(見上げても)見えない方」と表現する憧れの人を超えてのスピード記録をかみしめた。

 リーグ優勝が既に決まったこともあり、今季初めて三振を奪うことに狙いを定めた。「久しぶりに中継ぎのつもりで、どんどんストライク先行で行けたのが良かった」。8回103球を投げ、打者27人に対し3ボールまでいったのは4人のみ。被安打はわずか2本で9奪三振、無失点に抑え込んだ。

 7回を投げ終えた時点で今季の規定投球回に達した右腕の防御率は2・16となり、オリックス山本を抜いてリーグ単独1位。さらに149奪三振は山本、11勝目は楽天涌井と並んでトップだ。パでは2006年の斉藤和巳氏(ソフトバンク、現本紙評論家)以来の「投手3冠」が現実味を帯びてきた。

 現役時代に野茂氏と投げ合った工藤監督も「(千賀は)そういう潜在能力を持っていると思っていたけど、努力してきたことが表れた」と大絶賛。右前腕部の張りで開幕に出遅れるなど試行錯誤してきたエースが、最後の最後に昨年の最多奪三振に続く個人の栄誉に手を掛けた。 (鎌田真一郎)

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