ソフトバンク「完全V」逃すも好材料 柳田2年ぶり戴冠へ一歩前進

西日本スポーツ 倉成 孝史

〈鷹番が見た〉

 ◆ロッテ6-1ソフトバンク(5日、ZOZOマリンスタジアム)

 工藤ホークスがパ全5球団に勝ち越す「完全V」を逃した。「投手2冠」を照準に捉えていた東浜巨投手(30)が8回途中6失点と乱れ、今季対戦成績は11勝12敗1分けとなり2年連続負け越しが決定。悔しい黒星の中で柳田悠岐外野手(32)が2安打を放ち、最多安打のタイトル争いで単独トップに躍り出た。主砲が2年ぶりに個人タイトルを獲得すれば、4年連続日本一を目指す短期決戦へ勢いが付きそうだ。

 惜しくも完全Vは逃したが、試合直後のシーンが今季見せた圧倒的な強さの表れでもある。ZOZOマリンスタジアムでの今季最終戦終了後、ナインらは観客席にお礼のあいさつ。これに対して、タカ党が陣取る左翼席からだけでなく、ロッテファンも含めた球場全体から大きな拍手が鳴り響き続けた。現在でも2位と13・5ゲーム差。ぶっちぎりでトップに立った王者を、相手ファンも心から素直にたたえた。

 逆に、工藤監督はリーグVにあぐらをかくことなく、ロッテに負け越した事実を正面から受け止め来季への反省材料だと強調した。「ロッテには勝ち越したかったが、これは来年の僕たちの課題としておく」。前日4日の勝利で、対ロッテとの星は11勝11敗1分けの五分。敵地での最終戦は、2年ぶりのシーズン勝ち越しが懸かっていた。クライマックスシリーズ(CS)で対戦可能性のある相手への苦手意識を一掃するだけでなく、パ全5球団に勝ち越しての完全Vも手に届くところにあったが、打線が美馬を打ちあぐねたこともあり、かなわなかった。

 ただ、完全Vこそならなかったが、CS突破、4年連続日本一へ向けて不安はないと言っていい。CSの相手こそまだ決まっていないが、現在2位の西武には今季も12勝10敗1分けと勝ち越し。CSでの対戦でも昨季まで2年連続で圧倒している。3位のロッテに対しては、一時は対戦での借金が「7」まで膨らむなど苦手としたが、10月10日からは破竹の7連勝を決めるなど、すでに苦手意識は払拭(ふっしょく)していると言っても過言ではない。

 さらに明るい材料もある。打線の柱である柳田がこの日2安打を放ち、安打数で2位のオリックス・吉田正に2本差をつけてリーグ単独トップに浮上。「ヒットの数はそんなに気にしていません。CSに向けて調子を上げていけるようにしていきたいです」と本人はどこ吹く風だが、2年ぶりの個人タイトルを獲得すれば短期決戦へ向けても大きな弾みとなるはずだ。「本当に10月の戦いで、チームが一つになって戦ったことが、この結果になり、個人のタイトルにもつながっていると思う」。何よりナインを見つめる工藤監督の明るい表情が、4年連続日本一への自信を物語っている。 (倉成孝史)

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