島の公立高が初頂点、甲子園切符ほぼ手中 「秘策なんてない」大躍進の本当の理由

西日本スポーツ 前田 泰子 坪井 映里香

 ◆高校野球秋季九州大会決勝 大崎5-1福岡大大濠(6日、長崎県営野球場)

 大崎(長崎)が初優勝した。1年生左腕の勝本晴彦が今大会初先発し、本塁打の1点のみに抑えて完投。打っては11安打で5点を積み上げた。大会結果は来春の選抜高校野球大会の重要な参考資料。この優勝で人口5000人の島から初の甲子園に大きく近づいた。九州地区からは例年通り4校が出場。大崎のほか準優勝の福岡大大濠、4強の明豊(大分)、宮崎商が有力候補となる。

 長崎県の西に浮かぶ島の県立校が大きな仕事をやってのけた。大崎が甲子園8強の実績を持つ福岡大大濠に快勝し初の九州王者に輝いた。ゲームセットの瞬間を「こんなこともあるんだなと、人ごとのように見ていました」と清水央彦監督。就任3年目で頂点に導いた指揮官は球場を出た瞬間、部員に囲まれ持ち上げられて宙を舞った。

 決勝のマウンドはエース坂本安司(2年)ではなく1年生左腕に託された。初回にいきなり先制ソロを浴びたが勝本は「まだ始まったばかりなので」と冷静だった。120キロ中盤の直球と小さく変化するカットボールを中心にゴロを打たせ、2回以降は内野安打を含めてわずか2本。「力で負けないように最後まで抑えてやると強い気持ちで投げました」。9回1死からは連続三振で締めくくった。

 打線も11安打を放って援護。「打てるチームじゃない。1点1点積み重ねるのがチームのスタイル。その通りになった」と清水監督はうなずく。昨年の九州大会は初戦の大分商戦で15安打を放ちながら3得点、12残塁で敗れた。苦い経験から打撃練習は強い打球を飛ばすよりも、場面に応じて狙った所へ放つ練習に変えた。今大会は4試合中3試合で2桁安打と、その成果を出した。

 長崎県内では昨秋の県大会から今夏の代替大会、秋の県大会と負けなし。今大会も開新(熊本)、延岡学園(宮崎)、明豊(大分)、福岡大大濠と全て私立の強豪校をなぎ倒しての頂点だ。「秘策なんてない。ただ妥協をせずにやってきただけ」。清水監督の厳しい練習は指導陣の一人だった前々任校の清峰時代から変わらない。週1度の270メートルのインターバル走は丸太を抱えて走るメニューもあり「一番きついのは走ること」と選手は口をそろえる。

 来春へ向け「今年は今まで以上に鍛えます」という清水監督の言葉に、選手は喜びもそこそこに顔をしかめた。苦しい冬を乗り越え、島から全国にでっかい旋風を巻き起こしてみせる。(前田泰子)

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