ソフトバンク千賀に刻まれる苦い記憶 CS初戦で「5度目の正直」狙う

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 「投手3冠」の福岡ソフトバンク千賀滉大投手(27)が、チームを4年連続日本一へ加速させる。14日、ロッテとのクライマックスシリーズ(CS)初戦で先発する。昨年、楽天とのCSファーストステージ第1戦に投げ7回4失点で黒星を喫する屈辱を味わっただけに「ポカしないように」と気を引き締めた。シーズン終盤、立て続けにロッテ打線を圧倒した右腕が短期決戦でも牙をむく。

 紅白戦が行われた11、12日とは打って変わって、CS開幕前日となった13日は2時間余りの練習での調整だった。本番が迫る中、千賀は体の使い方を確かめるようにキャッチボールをしてスイッチを入れた。

 「アドバンテージもあるし、初戦を取ったら大きいのは誰もが分かっているので、集中していきたい」

 プレーオフ制度が導入された2004年以降、各ステージの初戦を制したチームが勝ち上がった確率は84%。3年ぶりのリーグ覇者として臨む3勝先取の今シリーズにおいても、初戦の重要性は熟知している。

 右前腕部の張りで出遅れたシーズンだったが、有終の美を飾った。ペナントレース最終登板だった4日のロッテ戦は、「7回自責点0」が最優秀防御率のタイトルを手にする条件という中で、8回を被安打2、無失点の快投でプレッシャーをはねのけた。規定投球回に達し、最優秀防御率に加え、最多勝、最多奪三振の「3冠」を決定づけた。

 その前週の10月28日もロッテ打線を8回無失点に封じ込めた。「(最後の2試合を)0で抑えられているから難しいところもある。試合に勝てるために、流れを壊さないように」。今季3度の対戦で2勝1敗、防御率2・42と好相性の相手を前に、慎重さと、粘り強さを自らのテーマに課す。

 過去の反省を糧とする。昨年は楽天とのCSファーストステージ第1戦で、4本のソロを浴び7回4失点で敗れ、チームは土壇場に追い込まれた。チームはデータ上は圧倒的な不利な状況から10連勝と底力を見せ一気に日本一へと上り詰めたが、千賀には苦い記憶として刻まれている。

 「一人一人、集中していきたいし、ポカをしないように。去年、失敗している分、余計にしっかりしないといけないと思う」。先発起用された16年以降、自身のCS初戦は4試合で0勝2敗と白星をつかめていないが、今年は違う。「五度目の正直」でチームに大きな1勝をもたらす覚悟だ。

 2戦目は東浜、3戦目は先発起用が見込まれた石川が第2先発要員となり、和田が先発予定。4戦目までもつれればムーアが控えるが、14ゲーム差を付けた2位ロッテに下克上を許すわけにいかない。2006年のソフトバンク斉藤和巳(本紙評論家)以来の「投手3冠王」として臨む短期決戦で、その圧倒的な力を見せつける。 (鎌田真一郎)

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