引退意向の琴奨菊「最後にやりたい」、あの時の琴バウアーは土俵への別れだった

西日本スポーツ

 大相撲の元大関で西十両3枚目の琴奨菊関(36)=福岡県柳川市出身=が現役引退の意向を固めた。15年ぶりの十両で再起を目指した今場所は、けがと闘い続けた琴奨菊を象徴する苦しい土俵が続いた。先場所中に痛めた左ふくらはぎに加え、右膝にもテーピング。それでも前向きに治療と稽古を重ね、自己と向き合った。「大好きな相撲を追究できた」。19年間の現役生活に終止符を打った。

 「続ける方が大変。自分の中で可能性を感じるからやっている。気持ちは無限で体は有限。引退した方がプレッシャーと努力の継続から外れるから体にも楽だが、そこではない」と十両での現役続行を決断。だが、満身創痍(そうい)の体を土俵につなぎとめていた気持ちも限界に近かった。

 幕内残留を懸けた先場所。左ふくらはぎ肉離れで休場する際、十両でも続けるのか問われ「悔いが残らないようにやる。その気持ちを絶たれないよう、少し休んで再出場する」。関取最年長36歳は「一日一日の勝負と思い、未来を見据え、今を頑張ってきたが、追究するのは長く取ることではない」と今場所に臨んだ。初日に患部を悪化させたこともあり、引退の結論に至ったとみられる。

 3横綱を連破して日本出身力士10年ぶりの優勝を果たした2016年の初場所。外国出身力士全盛の土俵に風穴をあけた。代名詞のがぶり寄りとともに注目を集めた、最後の塩をまく前に上体を反らせて気持ちを整える「琴バウアー」は「気をためるのは、そこではない」とやめたが、最後の一番となった6日目に披露。「最後にやりたい」と話していた通り一世を風靡(ふうび)したルーティンで別れを告げた。

 「最大にして唯一の武器である馬力」を生かす方法、支える肉体と精神を追い求める姿は地位に関係なく一貫していた。大関転落後の3年半余で琴奨菊の輝きはさらに増した。親方として相撲追究の第二幕が始まる。

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