ソフトバンク周東に届け、「短期決戦の鬼」の重い言葉

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク4-3ロッテ(14日、ペイペイドーム)

 試合開始直前。「短期決戦の鬼」と呼ばれた内川と、球場内でばったり会った。聞けば第1戦の観戦に訪れていた孫正義オーナー(63)のもとへ、今季限りでの退団のあいさつに足を運んだとのことだった。

 どんな会話が交わされたかは想像することしかできないが、きっと感謝の言葉を投げ掛けられたのではなかろうか。内川が在籍した2011年以降、チームは昨年まで4度のリーグ制覇と6度の日本一を経験。短期決戦に弱かったそれまでのホークスをがらりと変えた功労者だからこそ、孫オーナーにとっても印象深い選手として心に残っているはずだ。

 個人成績にもこの10年、チームは内川とともに歩んできたことがはっきりと記されている。プレーオフ、CSの通算打撃成績を見ると54安打、10本塁打、31打点はいずれも歴代単独トップ。3割5分8厘の通算打率も上位に位置し、7度の勝利打点も1位ととにかく勝負強い打撃が光った。

 その一番の理由を、内川はこう明かしていた。「プロの世界は個人成績で評価される。だから、普段はチームの結果と並行して個人成績を追うけど、短期決戦は個人成績をまったく気にせず、目の前の勝負に全力でぶつかれる。仮に自分が打てなくてもチームが勝てばいい。そこを割り切って臨めるかが何より重要」。有言実行してきた男の言葉は、やはり重みが違う。

 そんな格言にも似た言葉を思い出しながら、大事な第1戦を追った。試合は守備のミスにつけ込み、もらった四球を生かすといった相手のお株を奪う野球を見せて先勝。アドバンテージの1勝と合わせて早くもCS突破に王手をかけた。

 そんな中、普段の実力を発揮できなかった選手といえば周東だろう。「1番二塁」で先発出場しながら、4打数無安打。一度も出塁できず、自慢の快足を披露する機会を与えられなかったどころか、8回2死満塁の好機では代打を送られて途中交代となった。

 また、守備の方でも二つの送球ミスがあった。いずれも失策はつかなかったが、課題とされる守備のもろさが出たことを本人は猛省しているに違いない。

 ただ、内川に言わせれば「短期決戦は割り切りが何より重要」となる。だから、気持ちを切り替えて第2戦以降に臨むことだ。ちなみにきょう15日は、周東が10月以降の出場全4試合で3安打以上を記録した得意の日曜日。「サンデー周東」として再び大暴れする姿を、ファンも楽しみにしていることだろう。 (石田泰隆)

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