工藤監督が挑む「神様」超え 日本シリーズで交差する名将たちの奇縁

西日本スポーツ

 ソフトバンクの工藤監督が“神様超え”に挑む。昨年までの日本一回数は選手として11度、監督として4度を誇り川上哲治と並ぶ歴代2位の15度。今年も日本シリーズで勝てば単独2位に浮上する。巨人の原監督は監督通算勝利数でV9時代に率いた川上監督が持っていた球団最多記録を9月に更新。「打撃の神様」を超えた原監督を2年連続で倒し、日本一請負人の歴史に新たな勲章を加えるか。

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 森祇晶、川上哲治、工藤公康。選手、監督として日本一を経験した回数の上位3氏には数奇な縁がある。いずれも巨人のユニホームを着た経験があり、川上監督が巨人を率いたV9当時の正捕手が森、森監督が西武で黄金期を築いた当時のエースが工藤。球史を彩る常勝のエキスは時代を超えて受け継がれてきた。そして今年、工藤監督が満を持して「川上超え」に挑戦する時が訪れた。

 奇遇にも今年、同じように「川上超え」で注目された人がいる。巨人の原監督だ。9月11日、東京ドームで監督通算1067勝目。川上監督の偉大な記録を上回り、球団単独1位に浮上した瞬間だった。「先輩としてさんぜんと輝く神様、川上監督をひとつ超えられたというんでしょうか、信じられない気持ち」。打撃の神様を超えた思いを素直な言葉で表した。

 工藤監督と原監督にも縁がある。工藤監督が巨人でプレーしたのは00年からの7シーズン。そのうち02、03、06年は原監督だった。工藤監督が選手時代に経験した最後の日本一は02年で、原監督にとっては就任1年目での頂点。ソフトバンクにとって初めて巨人を倒しての日本一を達成した昨年、工藤監督は「1年目から優勝されて、学ばなくてはいけないところがたくさんある監督だと思っていた。そんな方と日本シリーズで戦えて非常に勉強になった」と原監督との初めての頂上決戦を振り返った。

 監督としての出場回数はともに10傑入り。優勝回数では既に工藤監督が原監督を上回った。コロナ禍の特別な年を締めくくる71回目の日本シリーズ。さまざまな縁に彩られた注目の決戦を、生誕100年の川上哲治も天国で胸躍らせながら待っていることだろう。

 ◆川上哲治(かわかみ・てつはる)1920年3月23日生まれ、熊本県人吉市出身。38年に熊本工業学校(現熊本工高)から巨人入り。戦前、戦後を通じ打撃の第一人者として活躍し、終戦直後は「赤バット」で国民に夢を与えた。巨人監督時代の65年に野球殿堂入り。巨人の背番号16は永久欠番。2013年10月28日、93歳で死去。

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