福岡を救った「ヒガシのクリロナ」 負傷交代の先輩に見せた思いやり

西日本スポーツ 松田 達也

 ◆明治安田生命J2第34節 山口0-1福岡(15日・維新みらいふスタジアム)

 アビスパ福岡は敵地で山口に競り勝ち、昇格圏をキープした。後半29分に増山朝陽(23)が決めた先制点を守り切った。徳島は5連勝で首位をキープし、福岡とは勝ち点3差のまま。V・ファーレン長崎はホームで琉球に0-1で敗れ、2位福岡との勝ち点差が5に離れる痛い黒星を喫した。ギラヴァンツ北九州は栃木に1-0で勝利し、2連勝で4位に浮上した。

 魂を込めて蹴り込んだ。同点の後半29分。コーナーキックのこぼれ球を増山がシュートし、GKがはじいたボールを再び左足でたたき込んだ。「うまく自分のところにこぼれた。落ち着いて転がそうと思った」。苦しい展開の中の価値ある決勝点で、昇格圏をキープする白星をつかんだ。

 前半32分、左足首付近を痛めて石津が途中交代。代わってピッチに立ったのが増山だった。殊勲のゴールを決めると、ベンチから動けない石津に向かって駆け寄り、歓喜を分かち合った。

 「ああいう形で(石津が)悔しそうに交代したので。喜んでいてもこっちに来られないから、自分が行こうと思った」。同じサイドMFとして、練習中からコミュニケーションを取ってきた先輩の分まで走り回った。

■今季13度目「1-0」

 チームは最下位の山口に苦しみながら、今季13度目の「1-0勝利」をつかんだ。先制点を奪った試合は21勝2分け1敗の“必勝パターン”も健在で、12連勝の快進撃が止まった後では初めての連勝を記録。約1カ月ぶりに勝ち星を連ねた。

 東福岡高時代は「ヒガシのクリロナ」と呼ばれ、鋭いドリブルを武器に全国高校総体を制したチームの攻撃を引っ張った。母校がこの日、2大会ぶりの全国高校選手権出場を決めた。決勝ゴールは後輩たちへの祝砲にもなった。

 J1神戸から移籍1年目の福岡でも持ち味はそのままに、豊富な運動量と献身的な守備で貢献。J1昇格を目指すチームに欠かせない存在となった。「勝ち続ければ昇格圏にいられる。しっかり勝って優勝したい」。増山は走り続ける。 (松田達也)

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