アフターコロナのあり方模索 東京五輪後の世界体操はスポーツイベントの未来を占う

西日本スポーツ

 体操、新体操の世界選手権が、東京五輪後の2021年10月に北九州市で開催されることが決まった。同市は体操男子個人総合で五輪2連覇中の内村航平(リンガーハット)が3歳まで過ごし、国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長の出身地でもある。体操と新体操の世界選手権を同時期に同一都市で行うのは初の試み。渡辺会長は東京五輪のレガシーを生かして開催される大会で新しいチャレンジに意欲を見せた。 (伊藤瀬里加)

 東京五輪の余韻が残っているであろう来秋、世界の超人たちが北九州に集結する。「精いっぱい盛り上げ、生まれ故郷に恩返しをしたい。今までにない、世界一素晴らしい大会をつくっていきたい」。8日の国際大会後の会見で、渡辺会長は力強く誓った。

 体操の2021年世界選手権はコペンハーゲンで開催予定だったが、コロナ禍による資金難で返上された。渡辺会長が「できることなら東京五輪のレガシーとして、日本でこういったビッグイベントができれば」と候補地を探す中、福岡県や北九州市とも協議。もともと同市では新体操の世界選手権開催が検討されており、コペンハーゲンの返上を受けて体操との同時開催案が浮上し、決定に至った。

 以前から世界大会の改革を訴えてきた渡辺会長にとって、地元開催の大イベントはその挑戦の場となる。その一つが簡素化。史上初の体操、新体操の同一都市、同時期開催はコスト削減の一環でもある。関係者の移動を減らすことで、参加する側の費用も抑えられる。

 もう一つ、渡辺会長がキーワードに挙げたのは「健康」。コロナ禍でスポーツイベントに求められる役割は変化したと実感する。「単にエンターテインメントというあり方から、スポーツが社会に何を還元できるか、何を貢献できるのかという変化を求められていると思う」。体操は五輪の人気競技で最高の「エンターテインメント」でありながら、競技人口が多いとはいえない。ただ、健康維持のための体操は子どもから高齢者まで多くの人が親しんでいる。

 渡辺会長は例として「(大会会場付近に)FIGのヘルスステーションのようなものを作って、高齢者や子どもたちに体操に親しんでもらう機会をつくる。健康になる仕組みづくりを試してみるのも一つ」と語った。思い描くのは、内村らトップ選手の活躍を頂点に、誰もが体操に親しみ、健康を手に入れられるというピラミッド型の普及活動。「この世界選手権を通じて、新しい地域創生みたいなものに挑戦したい」。“新様式”のスポーツ国際大会へ、北九州で第一歩を刻む。

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◆開催日程、場所

 体操 2021年10月17~24日、北九州市立総合体育館(八幡東区八王寺町4の1)

 新体操 同年10月26~31日、西日本総合展示場新館(小倉北区浅野3の8の1)

 

 

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