鷹・グラシアルが日本シリーズで挑む「長嶋茂雄以来」半世紀ぶりの偉業とは?

西日本スポーツ 長浜 幸治

 頼れるキューバ人助っ人が外国人初の快挙を狙う。福岡ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(35)が21日から始まる巨人との日本シリーズで、2年連続の最高殊勲選手(MVP)受賞に挑む。昨年まで70回を数えるシリーズの球史で2年連続受賞は長嶋茂雄(巨人)、堀内恒夫(同)、工藤公康(西武)の3人だけ。昨年のシリーズ4試合で3本塁打をマークしスイープでの3年連続日本一へ導いた男が、再び頂上決戦で輝きを放つ。

■三塁守備も入念確認

 今年最後の決戦を目前に控えてもグラシアルは普段通り黙々と汗を流した。ペイペイドームで行われた全体練習。打撃練習では広角に鋭い打球を打ち分け、柵越えも連発した。その後はバットをグラブに持ち替えて三塁の守備位置で約30分にわたりノックを受け、入念に動きを確認した。

 「どの守備位置で出るかは監督が決めること。準備をするのは当然だよ」。勤勉さで知られる助っ人はさらりと言い切った。日本シリーズ第1、2戦は巨人のホームゲームのためDHが使えない。三塁は今季レギュラーシーズンでは少ないながらも6試合、昨年のシリーズでも2試合計3イニングを守っている。今年も三塁起用を視野に入れる工藤監督は「シーズン中もサードをやっているので。心配はしていない」とうなずいた。

 昨年のシリーズはグラシアルの独壇場だった。第1戦で逆転2ラン、第3戦で同点ソロを放つと、極め付きは第4戦。菅野から4回に先制3ランをかっ飛ばした。4試合で計16打数6安打の打率3割7分5厘、3本塁打、6打点。文句なしの成績で外国人選手11人目のMVPを受賞した。今年も同じ顔合わせのシリーズへ「もちろんいいイメージはあるけど今年は今年」と気の緩みは一切ない。

 過去に2年連続でシリーズMVPは1969、70年長嶋、72、73年堀内、86、87年工藤の3人だけ。グラシアルが達成すれば西武で現役だった当時の工藤監督以来33年ぶりで、野手では「ミスター」こと長嶋が成し遂げて以来、半世紀ぶりの大記録となる。

 球史に輝く名選手に肩を並べるだけでなく、外国人選手として初の快挙となるが、本人は冷静だ。「そのことは全く考えていない。チームのために、一戦一戦全力で戦うだけだよ」。謙虚な男らしく色気は見せないものの、今年のシリーズではグラシアルにしか挑戦権がないのも事実だ。

 チームは昨年からポストシーズンでプロ野球最長記録となる12連勝中。巨人で第1戦の先発が予想される菅野には1年前に一発をお見舞いしただけでなく、2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でもアーチを放つなど相性は抜群だ。「早く終わってキューバに帰りたいね」。一日も早い帰国のために重要なのは絶対的エースを打ち砕きシリーズを優位に進めること。それが外国人初の快挙となる2年連続の「戴冠」にもつながっていく。 (長浜幸治)

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