長崎J1昇格へ踏ん張った「われながら当たっていた」手倉森監督自賛

西日本スポーツ 末継 智章

 ◆明治安田生命J2第35節 千葉0-1長崎(21日・フクダ電子アリーナ)

 崖っぷちで長崎が新境地を開いた。両ボランチを軸にパスサッカーを展開する本来の戦い方ではなく、後半の立ち上がりにカウンターを一閃(いっせん)。相手に倍以上のシュート11本を打たれながら全員で耐え抜いた。ライバル福岡のお株を奪うかのような1-0での勝利。手倉森監督は「ここから負けられないチームの姿勢を示せた」と選手を誇った。

 前節は下位の琉球相手に痛恨の敗戦。正念場と捉えた手倉森監督は「残り8戦で昇格のメークドラマを描こう。昇格への瀬戸際にいるが、際に立たされた者のパワーを出せたらいい」と選手を鼓舞した上、ドラマの鍵を握るキャストとして36歳のGK徳重を12試合ぶりに先発起用した。

 流れを変える狙いもあったが、8月のホーム戦で徳重が先発し千葉を2-0で零封した試合が頭に残っていたという。「締まった試合をしてくれたし、その後も(千葉の得意な)クロスボールからのシュートに対するセーブに関しては好調を維持してくれていた。メークドラマを描く上でベテランに頼ろう、と」

 狙いは前半25分から続いたピンチで的中。サイドからクロスを頭で合わされたが左手一本で防ぐと、直後の相手CKから目の前で打たれたシュートもはじいてゴールを割らせなかった。「われながら当たっていた」と手倉森監督はしてやったりの表情を見せた。

 長崎は総得点が徳島と並ぶリーグ2位タイの55得点だが、総失点は34。首位徳島(27)、2位福岡(25)と比べて守りの堅さが勝ち点差に響いていただけに、球際でも体を張って守り抜いた末の勝利は大きい。徳重も「全員で90分集中を切らさずに勝ち切れたのは良かった」とかみしめる。

 勝ち点差が2位福岡と「3」、首位徳島とは「5」で3と5が連なる35節を終えた。手倉森監督は「語呂が好きな私にとっても、流れは長崎にあるなと思う」とにやりと笑った。残り7試合中、5試合は今季11勝2分け3敗と得意なホーム。かつて仙台をJ1へ導き、指導者としてリオデジャネイロ五輪やワールドカップ(W杯)ロシア大会での死闘を経験した百戦錬磨の指揮官は「長崎県民もその気にさせて走れば、最後は笑って終われるだろう」と劇的な結末を信じる。 (末継智章)

 ○…名倉が自身キャリアハイとなる今季5点目で勝利に貢献した。後半6分のカウンターで気田がドリブルを始めると相手守備陣の近くを走ってかく乱。気田からスルーパスを受けて抜け出し、冷静に左足で決めた。

 前節は見せ場なく後半途中で退いた22歳は「残り8試合全部勝つ気持ちでチームが一つになった。負けられない気持ちが無失点での勝ちにつながった」と胸を張った。

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