中村晃「僕と丸の中では終わってる」接触プレー後に丸から電話

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆日本シリーズ第3戦 ソフトバンク4-0巨人(24日、ペイペイドーム)

 美しい放物線を描いた打球は右翼席へ一直線に伸びていく。着弾を確認すると、中村晃は笑顔一色の一塁側ベンチを指さした。3回2死二塁、先発サンチェスが投じた2ボール2ストライクからのフォークを強振。今シリーズ1号は先制V2ランとなった。

 「2ストライクと追い込まれていましたが、甘く来たボールをしっかり捉えることができた」。2点リードの7回には貴重な追加点で巨人の戦意をそいだ。1死一、二塁から高梨のスライダーを右前へ。計2安打3打点と気を吐いた。

 短期決戦に比類のない勝負強さを見せる「ミスター・ポストシーズン」だ。今季はロッテとのCS第2戦で2打席連続の2ランで、初のCS最優秀選手(MVP)も受賞した。これでCSと日本シリーズを合わせて通算12本塁打だ。

 グラウンド内での活躍はもちろん、その外でも大車輪の働きを示した。選手会長の重責を担った2020年。夏場にチームを襲ったコロナ禍で、どれだけ注意を払おうとも、感染する可能性がある新型コロナウイルスの怖さを改めて痛感した。何よりも命が優先されるべきだとの強い思いから、「多くの選手が不安を抱えたままプレーできない。何より相手球団にも申し訳ない」と球団に強く訴えたこともあった。チームは現在も週に4度ものPCR検査を実施するが、こうした姿勢が影響した面もある。

 相手にも最大限の敬意と気遣いを欠かさない。21日の第1戦で丸が一塁に駆け込んだ際、中村晃の脚に接触。危険なプレーとして一部で物議を醸したが「故意にする選手ではないですし」。試合後に電話もかかってきたと明かし、「偶然当たったと思うだけ。いろんな人が言ってますけど、僕と丸の中では終わってるので」と、ピシャリと話題も終わらせた。

 どこまでもナイスガイな選手会長の存在に支えられてきた今季のホークスの旅路もゴールが迫る。「負けると流れも変わる。最後の力を振り絞り全員で勝ちにいく」。大団円のフィナーレまで気を緩めるつもりはない。 (山田孝人)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ