シリーズMVPに輝いた鷹の新星・栗原 胸に師匠の言葉「3年しっかりやれ。遊ぶのはそれから」

西日本スポーツ 長浜 幸治

 ◆日本シリーズ第4戦 ソフトバンク4-1巨人(25日、ペイペイドーム)

 巨人のV9以来、パ・リーグでは初の4年連続日本一を成し遂げたチームで、栗原が文句なしの主役を張った。全4試合で5番に座り、14打数7安打の打率5割、1本塁打、4打点をマーク。MVPに選ばれ「最高の気分です」と喜びを爆発させた。

 昨季までシリーズ通算わずか1打席だった24歳のバットが、日本シリーズの大勢を決めた。千賀、菅野の両エースが激突した第1戦。「いい形でシリーズに入れたらいいなと思っていた。最高の結果になった」と2回の第1打席で先制2ランをたたき込むと、6回には2点二塁打。4打点で球界屈指の右腕を沈めると、2戦目も5打数4安打の固め打ちで大勝に貢献。史上初となる2年連続スイープ決着の流れをつくった。

 プロ6年目の今季、初の開幕スタメンを勝ち取るとレギュラーの座をがっちりとつかみ取った。柳田に次ぐチーム2位の17本塁打、73打点。持ち前の打撃力をシリーズでも見せつけ、柳田や中村晃らを抑えてMVPに輝いた。それでも満足感はまったくない。「僕はまだバッティングで壁を乗り越えられたとは思っていない。ずっと壁に当たっている感じです」

 シーズン中も試合での打撃に納得がいかないと、試合後のグラウンドに残り外野フェンス沿いで素振りを繰り返した。「仕事だし、お金をもらっているので。そこは責任を持ってやらないと」。24歳という若さに似合わぬストイックさは師匠譲りだ。

 「まずは3年間しっかりと野球をやれ。遊ぶのはそれからでいい」。2年前から自主トレで師事する中村晃の言葉だからこそ、すっと胸に落ちた。「晃さんは常に野球のことだけを考えているし、本当に勉強になる。僕は試合に出始めて1年目。少なくともあと2年は野球にまっしぐらです」。心の渇きがより栗原を成長させる。

 お立ち台で「晃さんには何か買ってあげたいなと思います」と冗談っぽく感謝を口にした栗原に対し、ベンチにいた中村晃は満面の笑みを浮かべ、両手を上げてのガッツポーズで“返答”。師弟の絆の深さを見せつけた。先輩から後輩へ代々紡がれてきたホークスの「伝統」が、またチームを強くする。 (長浜幸治)

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