足踏みでも「前進」しているJ2福岡 監督が抱く「期待感」

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 三つどもえが続く昇格争いの重圧の中、アビスパ福岡は2位をキープしています。ただ2試合連続の引き分けで勝ち点は伸び悩んでいます。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(55)は、コラム「“福岡”を語ろう」第9回で、足踏み状態に見えても攻撃力は進化していると分析。その成果は大事な終盤戦で結果に表れると前向きに捉えています。

■残り6戦

 29日に行われる第37節の大宮戦を含めてリーグ戦も残り6試合。J1昇格を懸けた戦いも大詰めを迎えます。ここ2試合連続で引き分けている現状をどう捉えるべきか、というところから話を進めます。

 前節の東京V戦を1-1で引き分けたことにより首位の徳島との勝ち点差は4に開き、3位の長崎とは3差に縮まりました。その状況からすれば確かに「足踏み状態にある」とも言えるのですが、試合内容に目を向ければ、必ずしもそうとは言い切れないのです。

 東京V戦を振り返った長谷部茂利監督は同じスコア、同様の展開となった前々節の山形戦よりも試合の入り方が良かったとした上で「山形戦も含めて攻撃に期待感が持てた」と口にしました。

 山形戦と東京V戦はいずれも1点を奪うにとどまったものの、これまで長谷部監督が課題として挙げ続けてきた「相手ゴールに向かう姿勢を強めること」「相手ペナルティーエリア内に入る回数を増やすこと」「チャンスの数と大きさを広げること(得点の可能性を高める)」といった要素を十分とは言えないまでも、かなりのレベルで表現できたからでしょう。

 リーグ最終盤で大事になることは何かと問われた長谷部監督は「チームの一体感はもちろん大事だが、それは現在上位にいるチームはどこも備えているもの。ここから大事になるのは『ゴール』だと思う」と答えていました。

 長谷部監督が言う「ゴール」とはゴールを守ること、ゴールを奪うことの二つを意味します。リーグ最少失点でここまで来た福岡は既にゴールを守ることに関しては首位の徳島と3位の長崎を上回っていると言えますから、福岡が意識すべきはゴールを奪うこと、になります。

■積み重ね

 満足度レベルが非常に高く常に厳しい評価を下す長谷部監督が「この終盤に来て期待感が持てるようになった」と口にするのですから、攻撃力は間違いなく増していると考えていいでしょう。つまり現状は足踏み状態ではなく、確実に前進していると言えるのです。

 ここ2試合は勝利から遠ざかっており、また複数得点も第33節の琉球戦(3得点)以来ないのに、それでも前進しているのだろうかと不安に思われる方もいらっしゃると思いますが、ここまでの福岡の戦いの歩みを振り返ってください。

 細部にこだわりながらチームとしてコツコツと積み上げてきたものを武器に、ここまでの勝ち点を着実に積み重ねてきたのです。驚くような進歩や急激な変化こそありませんが、じっくりと時間をかけた分、ベースはしっかりとしています。さまざまな圧力がかかってくる終盤戦において、その安定感と着実な進歩、前進がきっとものをいってくると思います。皆さんはどう考えますか?

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

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