千賀も認めたソフトバンクの157キロ右腕・杉山が先発転向を志願 カギは師匠直伝の「新球」

西日本スポーツ 長浜 幸治

 「千賀カット」でローテ争いに殴り込みだ! 福岡ソフトバンクの杉山一樹投手(22)が29日、ペイペイドームを訪れ来季の先発転向に意欲を示した。最速157キロ右腕は2年目の今季、中継ぎで11試合に登板し防御率2・16。日本シリーズでも1イニングながら剛球で巨人をねじ伏せた。さらなる飛躍へ習得を目指すのがエース直伝のカットボール。社会人時代の古巣、三菱重工広島が歴史の幕を閉じた日に新たなチャレンジへの決意を新たにした。

■三菱重工広島“消滅” 古巣に恩返しへ

 千賀も認めた剛球右腕が秘めたる思いを口にした。「今年は中継ぎでやらせてもらったけど、やっぱり先発で勝負したい」。今季1軍で11試合に登板し頭角を現してきた杉山が強く意識するのは、今年の自主トレで師事したエースが歩んできた道だ。

 千賀はプロ3年目、支配下2年目の2013年に中継ぎで51試合に登板し防御率2・40の成績を残しブレーク。12年のデビュー時に結果を出せなかった先発再転向への土台を固めた。杉山が2年間で残した実績は及ばないが、今季2軍では7試合に先発するなど経験を重ねてきた。

 12球団屈指の陣容を誇るチームの先発ローテ枠を巡る争いは激しい。投手3冠の千賀、2冠の石川はもちろん、開幕投手を務めた東浜、8勝を挙げ復活を印象づけたベテラン和田、さらに来日1年目で6勝のムーアも残留すれば当然ながら候補だ。今季は中継ぎに回ったが昨季先発で12勝の高橋礼や武田、二保、笠谷ら先発で勝ち星を挙げた実績のあるメンバーがそろう。

 杉山自身も「中継ぎでと言われれば、そこで全力を出したい」と自らの立場は認識している。それでも、自主トレで千賀に「自分を超えた」と言わしめた高いポテンシャルは期待を抱かせるのに十分だ。先発で勝負することが認められた場合の“秘策”もある。それは「千賀カット」だ。

 杉山の持ち味は今季最速157キロを記録したストレート。「1軍で150キロ台中盤の真っすぐを投げてもなかなか空振りが取れなかった」と振り返る中、習得に励んだのが千賀の操るカットボールだった。「自分の変化球は直球との速度差がありすぎる。真っすぐに近いスピードの変化球がほしかった」。シーズン中も師匠に何度も教えを請うたが「結局スライダーになっちゃいました」と完成には至らなかった。オフ期間にマスターすることができれば、大きな武器となる。

 決意を新たにする出来事もあった。来年から三菱重工名古屋に統合される古巣の三菱重工広島が、29日の都市対抗野球大会2回戦で敗戦。75年の歴史に幕を下ろした。「(OBでヤクルトの)大下(佑馬)さんと僕で三菱魂を引き継いで、プロで活躍することが最大の恩返しだと思う」。感謝の思いを胸に、3年目を迎える来季のさらなる飛躍を誓う。 (長浜幸治)

◆日本シリーズ157キロデビュー

 杉山は今季自己最速を更新した157キロの剛球を巨人との日本シリーズでも披露した。第2戦で9点リードの8回に初登板。先頭の松原を全4球とも150キロ超の直球で右飛、続く坂本への初球で157キロをマーク。四球を与えたが、セ・リーグ打撃2冠の4番岡本を154キロで空振り三振、丸を中飛に仕留めた。全20球のうち14球が150キロ超。大差の展開とはいえ交流戦も未登板の剛腕が見せた圧巻の投球に巨人ファンからどよめきの声が上がった。

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ