甲子園で活躍、大学でプロ志望も指名漏れ…社会人1年目の大舞台で「信じられない」大当たり

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ◆都市対抗野球2回戦 ホンダ熊本4―1JR東日本(29日、東京ドーム)

 ルーキー1番打者、山本卓のバットがホンダ熊本を17年ぶりのベスト8に導いた。一発を含む2安打3打点。「信じられない気持ちでいっぱい。ずっと憧れていた舞台だったので結果を残せて光栄」。ヒーローインタビューで見せた初々しさとは裏腹に、抜群の勝負強さを発揮した。

 まずは1点を追う4回だ。先頭で右翼席へ同点ソロ。打順1巡目を完璧に抑えられた左腕からのチーム初安打で流れを変えた。自身も初回の第1打席は空振り三振。「ふがいない結果。何とかしたくてスイングをシャープに」とコンパクトな振りで甘く入ってきた直球を捉えた。渡辺正健監督が「チームに勇気を与えてくれた」と振り返る一打の後は、5回1死満塁で勝ち越しの右前2点打を放った。

 大舞台になればなるほど輝きを増す。鹿児島・神村学園高2年春の甲子園で大会1号となる3ランを打った。初めて挑む都市対抗でも日本通運との1回戦で先頭打者アーチをぶちかまし、勢いに乗って2戦連発。「緊張するタイプではない。どちらかというと(その時の)場面を楽しむことができている」と言い切る強心臓の持ち主だ。

 亜大4年時の昨年、プロ志望届を提出もドラフトで指名漏れした。今春入社したホンダ熊本のチーム方針は筋力強化。大学時代にほとんど取り組むことのなかったウエートトレーニングで体が変わり、ベンチプレスで挙げる重量は入社時の90キロから115キロまでアップした。「下半身の粘りが出ている」と公式戦での結果につながっていることを実感している。

 28日に8強を決めた西部ガスに続いての準々決勝進出。九州勢の複数チームが8強入りするのは55年ぶりの快挙だ。近年は全国での苦戦が続く九州は、2018年から出場枠を3から2に減らされていた(記念大会の19年は1増)。3年続けて第1代表で出場の渡辺監督は「勝ち上がって、西部ガスと何とか枠を増やしたい」と誓う。日本シリーズで圧倒的な強さを見せた福岡ソフトバンクだけではない。アマチュアも九州から旋風を巻き起こす。 (伊藤瀬里加)

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