歴史つくった西部ガスの「複雑な思い」 進撃を阻んだフルスイングの脅威

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 ◆都市対抗野球準々決勝 西部ガス1―4ホンダ(30日、東京ドーム)

 第91回都市対抗野球大会は30日、東京ドームで2回戦1試合と準々決勝2試合があり、初めて8強進出を果たした西部ガス(福岡市)はホンダ(狭山市)に1-4で敗れた。今大会初先発の立石悠汰(26)は4回1/3まで好投したが、救援陣がホンダ打線につかまった。12月1日はホンダ熊本(大津町)が準決勝進出を懸け、日本新薬(京都市)と対戦する。

 初勝利からの2勝で波に乗る西部ガスにとっても、4強の「壁」は高かった。出場34度、優勝2度の名門ホンダの前に勢いはストップ。「西部ガスの歴史を一つつくれて本当によくやった、頑張ったという部分と、まだまだと思い知らされた部分と複雑な思い」。香田誉士史監督は神妙な面持ちで言葉をつないだ。

 ポイントになったのは、0-1で迎えた5回だ。好投を続けてきた先発の右腕立石がつかまった。1死から安打と四球で一、二塁のピンチを迎えると、2番手の左サイドハンド岩崎に継投。岩崎が連打で追加点を献上すると、3番手の高卒ルーキー大畑も適時打を浴びた。香田監督も「失点をしてもビッグイニングをつくらせなければ勝機はある、と話していた。あの3点だった」と悔やむ場面だ。

 初戦から2試合連続で先発し、11月28日の2回戦で完投した村田はベンチスタート。「2、3回でも上出来」(香田監督)と送り出された今大会初登板の立石は期待に応えた。長崎・佐世保実高出身の右腕は自己最速タイを記録した152キロの直球を軸に、4回までは1失点。ただ2回戦まで計15得点を挙げたフルスイングの脅威を感じ取り「(自分の)ボール自体は良かったと思うが、ホンダさんの打撃陣が良かった」と語った。

 打線も相手先発の右腕朝山の前に7回まで毎回の13三振。8回、救援陣から併殺打の間に1点を奪うのが精いっぱいで、三振数は16にまでなった。ここまで機動力も駆使して少ない好機を生かしたが、井手主将も「攻撃力というところは明らかな課題」と打力強化の必要性を痛感した。

 創部に尽力した田中優次元社長が今年9月に死去。元社長が生前熱望していた全国1勝を目指してナインは一丸となった。1回戦の日本製紙石巻戦で全国初勝利を挙げ、勢いに乗って2回戦も突破。ベスト8という結果を天国に届けた。「初勝利という大きな勝利から2勝。スタートラインに立った大会だったと思う。まだまだ力が足りないと思う。必ずこの舞台で全国優勝という結果を残したい」と井手主将。さらに歴史を塗り替えるべく、西部ガスが新たなスタートを切った。 (伊藤瀬里加)

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