ソフトバンク・グラシアル「戦える準備を」キューバ帰国後すぐに国内リーグへ

西日本スポーツ 山田 孝人

 福岡ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(35)が30日、来季の“フル稼働”を宣言した。今季は世界的なコロナ禍の影響でレギュラーシーズンの出場69試合にとどまった。チームの3年ぶりリーグ優勝と4年連続日本一を喜んだものの、自身はこの1年に全く満足できていない。キューバ帰国後は速やかに来季に備えて国内リーグでプレーする予定。とことん真面目な助っ人は早速腕まくりした。

 近日中にキューバへの帰国が予定されているため、荷物整理のためにペイペイドームに姿を見せたグラシアルの視線は、既にしっかりと来季を見据えていた。今年も日本シリーズで3年連続本塁打を放つなど活躍。来日後では初のリーグ優勝と4年連続の日本一の喜びを味わい「みんなで達成できた。本当にとてもうれしいことだ」と笑みを浮かべた。

 一方で自身のことは同じトーンで話せない。東京五輪の予選のため3月に離日したが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響で予選は延期。さらに再来日は7月と大幅に遅れた。2週間の待機期間もあってチームに合流できたのは8月上旬。コロナに振り回されただけに「個人的には満足はしていないんだ」と口にした。打率2割7分7厘、10本塁打、35打点の数字よりも、出場が69試合にとどまったことに心残りがある。

 2018年の入団後、一度も規定打席到達がない。昨年もキューバ代表の活動のためシーズン途中にチームを離れた時期があり、日本シリーズMVPなど大活躍を見せながらもレギュラーシーズンの出場は103試合。だからこそ「1年戦いたいという思いがある」。真面目な男の表情が引き締まった。

 ホークスにさらに貢献するため、キューバでも戦闘モードをオフにしない。現地でメディカルチェックを受けた後には、早々に国内リーグの地元チームに合流。体の状態を維持する方針で「来年も(日本シリーズの)5連覇に向けて頑張りたいからね。来シーズンを戦える準備をしていくんだよ」と力強く宣言した。

 来春に東京五輪の予選が開催されることが見込まれるため、現実的には来季のレギュラーシーズン全試合出場は難しい。それでも来日からの通算打率3割。守備も内外野の複数ポジションをこなす超優良助っ人が“心意気”通りに規定打席到達クラスの出場を果たすことができれば、工藤ホークスが来季目指す「V5」への強力な推進力となることは間違いない。「体は元気。もっとやれる」。さらなる歓喜を愛着ある福岡にもたらすべく、母国で鍛錬の日々に入る。 (山田孝人)

グラシアルの今季

 ▼一時帰国 球団は1月24日、今季からの2年契約を結んだと発表。グラシアルは2月18日にキャンプ地の宮崎入り。昨年最終盤に痛めた右手小指が帰国中に悪化して骨折したが、キャンプではティー打撃も行った。3月9日、東京五輪米大陸予選(同22~26日、米アリゾナ州予定)参加のため離日。同28日に再来日の予定だった。

 ▼コロナ禍 新型コロナウイルスの感染拡大で同12日、東京五輪米大陸予選の延期が決定。グラシアルは負傷を抱えていたこともあってキューバで調整した。再来日は7月19日。待機期間を経て8月4日に筑後で始動予定だったが、複数の感染者が出てファームの活動が止まったため、同5日にデスパイネとともに仙台遠征中の1軍に合流した。

 ▼戦いへ 同14日のウエスタン広島戦(タマスタ筑後)で今季実戦初出場。右翼線適時二塁打を放った。同18日のロッテ戦(ZOZOマリン)で1軍昇格。出場2試合目の同19日の同カードで今季初安打。同25日のオリックス戦(ペイペイドーム)で山本から今季初アーチ。日本シリーズでは11月22日の第2戦で巨人の戸郷から一発を放った。

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