大企業やめてJ2へ…周囲の反対押し切り転身 引退会見で明かした胸の内、若い世代に伝えたいこと

西日本スポーツ

 今季限りで引退するJ1札幌のMF早坂良太(35)が2日、オンラインで会見した。「30歳を超えてからはおまけのサッカー人生と思っていたけど、最高で素晴らしいおまけの人生だった」と回顧。主にサイドハーフとして献身的な守備と運動量、抜け目のない判断力を生かし、J通算269試合に出場してきた。現役生活での思い出の一戦として、鳥栖時代のプロ初ゴールを挙げた。

 日本フットボールリーグ(JFL)のホンダから2010年、当時J2の鳥栖に加入。大企業を辞める決断に周囲は反対したが「そういう(大企業に勤める)方法じゃなくても成功できるという事例を示したかった。僕は絶対成功しないと駄目だと思っていた」と覚悟を決めての転身だった。

 同年の開幕戦でデビューし、3戦目となった3月28日の愛媛戦(ベストアメニティスタジアム、現在の駅前不動産スタジアム)でプロ初ゴールを挙げて勝利に貢献。「プロとして結果という目に見えるものがほしかったので、すごく覚えている」と感慨深げに振り返った。

 11年に自己最多の年間10得点をマークしてJ1昇格に貢献。当初は「具体的なビジョンを立てて逆算しないと努力できない」と30歳での引退を考えていたが「思った以上にJ1のサッカーが面白くて奥深く、技術や戦術に興味が湧いた」。股関節痛に悩まされながらも体のケアに努め、札幌移籍後の18年まで7年続けてJ1で年間20試合以上出場するなどコンスタントに活躍した。

 引退を決断したのは今夏。昨年から出場機会が減り「試合に向けて百パーセント準備することができなくなってきた。これ以上はプロとして維持できないと思った」。11月14日のホーム鳥栖戦(札幌ドーム)後に代理人へ報告すると決めていた。

 その試合の終了直前にシュートがポストを直撃。「ちょっとの差で入る可能性もあった。なおかつ古巣の鳥栖が相手で、入れば逆転できた。入らないのが人生だな、でもあそこでシュートを打てることが大事だし、面白いなと感じた」としみじみと語った。

 クラブの育成組織で育った「エリート」が席巻するJリーグで、静岡大からホンダを経由した遅咲きのプロ人生。同じホンダから今季J2福岡に移籍した遠野大弥(21)が主力としてチームのJ1昇格争いをけん引するなど、後進の道しるべにもなった。「今うまくいかず、プロになりたいかどうか悩んでいるかもしれないが、周りや環境のせいにして決断しても人生は面白くない。結局決めるのは自分。決断したことに責任を持てば努力し、いい結果が出ると思う」と若い世代にエールを送った早坂は「いろんな価値観の人がサッカー界に入っていい。そうすればもっといい選手とサッカーになる」と多様性を望んだ。

 引退後の進路は未定という。札幌は今季残り3試合で、5日にC大阪とのホーム最終戦(札幌ドーム)を迎える。「引退のリリースが出てから多くの人からメッセージがきて、自分が思っている以上に応援してくれていたんだとしみじみ感じた。感謝というか、最後までやるべきことを淡々をやりたい」。プロとしての役割をまっとうして完全燃焼する。

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