W杯よりも五輪 アキレス腱断裂から復活のラグビー7人制女子代表候補が示した進化

西日本スポーツ 末継 智章

 東京五輪に臨むラグビー7人制男女日本代表候補の生き残りを懸けた戦いが再開された。11月29日に埼玉・熊谷ラグビー場で五輪代表の選考を兼ねた紅白戦形式の試合を2試合ずつ実施。熱く激しいプレーでアピールする選手たちの中で、女子では右アキレス腱(けん)断裂から約1年ぶりに実戦復帰した黒木理帆(立正大)=宮崎県門川町出身=が先制トライを挙げて力強く復活をアピールした。

 約1年ぶりの実戦で鮮やかな復活劇を遂げた。1試合目の試合開始直後、パスを受けた黒木が約50メートルを独走して先制トライ。「ブランクは感じず、緊張より楽しさが勝った。アピールできたと思います」と充実感あふれる笑顔で汗をぬぐった。

 2017年に女子の15人制ワールドカップ(W杯)オーストラリア戦でトライするなど突破力が持ち味。東京五輪を目指して7人制に専念してきたが、昨年12月にドバイで開かれた国際大会で右アキレス腱を断裂した。

 「もし今年五輪が開催されていたら、完治しないままで焦っていた」と出場は絶望的だったが、コロナ禍で1年延期になったため余裕を持ってリハビリができるようになった。「思ったより復帰に時間がかかったけど、完治できた」と9月に所属チームでグラウンドに復帰。11月下旬の熊谷での代表合宿では「ラグビーができることを楽しんだ」とフレッシュな気持ちで楕円(だえん)球と向かい合うことができ、古傷への不安も消えた。

 1年ぶりの試合に手応えをつかんだ一方で課題もある。7人制女子日本代表は1年延期を受け、より速い球出しに加え、オフロードパスでつなぐよう攻撃の改善に着手している。黒木は「今までは縦の突進でゲインするのが持ち味だったけど、そこで倒れずつなげるようにならないといけない」と自覚した。

 黒木をはじめ、各選手が進化した姿を見せようと奮闘した今回の試合。2試合で2トライした中村知春(ナナイロプリズム福岡)は「延期しないまま五輪に出ていたら、(10位だった)リオデジャネイロ五輪と同じ状態になっていた。今は新しいことにチャレンジしようという思考になり、若手もアイデアを出している。延期が良い期間になっている」と前向きに受け止めた。

 日本ラグビー協会はこれまでの代表活動や今回の内容も踏まえ、年内にも第3次代表候補を発表する考え。女子日本代表の稲田仁ヘッドコーチは「選手たちは緊張感を持って臨んでくれたが、まだまだ上げていく」とさらなる進化を誓った。目標のメダル獲得へ、さらに競争意識を高めながら向上させていく。 (末継智章)

PR

ラグビー アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング