王会長超えでも「来季も」歩み止めない工藤監督が姿を現した場所とは

西日本スポーツ 山田 孝人

 福岡ソフトバンクをパ・リーグ勢初の4年連続日本一に導いた工藤公康監督(57)が8日、2020年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手らに贈られる「正力松太郎賞」に選出された。3年連続の受賞は史上初で、5度目の受賞回数も王貞治球団会長(80)を超えて最多となった。大きな名誉に輝いたこの日も、工藤監督はファーム施設を視察。目標に掲げる「V5」へオフも余念はない。

 3年ぶりのリーグ優勝とパ・リーグ勢では初で、「V9」時の巨人以来となる4年連続の日本一にソフトバンクを導いた工藤監督が、史上初の名誉に輝いた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で公式戦の開幕が6月にずれ込み、レギュラーシーズンは6連戦を中心とする120試合となった。変則日程での2020年に、鮮やかなタクトで頂点に立った手腕が評価された。

 工藤監督は「大変名誉な賞を頂くことができ、光栄なことだとうれしく思います。この賞は福岡ソフトバンクホークス全体に頂いた賞だと思っています。プロ野球を応援し続けてくれるファンの皆さんから頂いた勇気が最高の結果に結び付いたと思います」などと球団を通じてコメントを発表した。

 厳しい日程を考慮して選手のコンディショニングを最優先。力を蓄えながら上位をキープすると、最終盤の10月には15年ぶりの12連勝で一気にペナントを奪還した。クライマックスシリーズではロッテに連勝して突破。昨年に続いて顔を合わせた巨人との日本シリーズでは、初の2年連続4戦全勝で日本一に。日本シリーズは12連勝、ポストシーズンは16連勝と他球団を圧倒した結果が受賞に至った最大の理由だ。

 加えて周東や栗原らを積極起用して若手の台頭を促したほか、コロナ禍で奮闘する医療従事者への感謝の思いを常に表明して支援活動も展開した。野球人として、社会の一員としての高い評価もあったという。「今年は特にたくさんの方との関わりがあり、チームが成り立っていることを実感しました」と振り返った。

 史上初の名誉を授かった一方で、工藤監督が歩みを止めることはない。8日は筑後のファーム施設に姿があった。3時間以上にわたり甲斐野らが復帰に向けてリハビリに励む様子にじっくりと目を凝らした。同時に藤本2軍監督、森3軍監督と話し合い、未来への構想を入念に練っていた。

 また今季は11月下旬まで激戦続きだったことを考慮。今年2月のキャンプでは、当初の3月20日の開幕日程を見据え、早期に実戦で投げられる状態で入ることを投手陣に求めていたが、来春は初日にブルペン入りできる程度の仕上がりを求めて通達した。Vへの最大の原動力となった投手陣の保全をまず優先。その上で段階的に強度を上げ21年に挑む。「来季もこの栄誉ある賞に恥じることのないように」と口にした工藤監督が見据えるのは「V5」のみ。着実に準備を進めている。 (山田孝人)

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