決戦迫る阿部一二三vs丸山城志郎 どっちが勝つか2人を知る男が大予想

西日本スポーツ 末継 智章

 柔道の東京五輪代表で唯一確定していない男子66キロ級の代表決定戦が13日、東京・講道館で行われ、丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(パーク24)が激突する。戦績は丸山が4勝3敗とリードするがいずれも紙一重で、今回も新旧世界王者による対決は激闘が必至だ。どちらが勝つのか-。「心技体」の視点から関係者に注目点を聞いた。(末継智章)

 ◆ 「心」 ◆

 試合は関係者のみが入場できる無観客試合。特殊な状況が心理面を左右するとの予想もある。沖学園高で丸山を指導した伊藤和幸監督は「丸山は不動心。周りに関係なく自分の意志を持って柔道をするから影響はない」と教え子を信じる。

 阿部を高校時代に指導した神港学園高OBの正木照夫氏は「阿部は会場の歓声に気持ちを乗せるタイプ。経験したことのない無観客で力を出し切れるか」と不安視した。

 過去7試合で1度だけ、一本勝ちで決着がついたのが2017年のグランドスラム(GS)東京大会決勝だった。阿部が大内刈りで仕留めた。バルセロナ五輪男子78キロ級金メダルでパーク24の吉田秀彦総監督は「当時は自信を持っていたが、丸山に負けてから投げられるのを恐れるようになった。攻める柔道が持ち味。開き直れるか自分との闘いになる」と語る。

 ◆ 技

 丸山は左組み、阿部は右組みの「けんか四つ」。阿部と4回、丸山と2回対戦した18年GSデュッセルドルフ大会男子66キロ級覇者の田川兼三氏(学習院中等科教員)=長崎市出身=は「阿部選手は引き手の絞り方がうまくて力強い。持てば必勝の形。それがけんか四つだとお互い釣り手から持つ形になり、袖を絞りづらいのでは」と阿部が苦戦する理由を推測する。

 ただ、神港学園高の信川厚総監督は「苦手は克服している」と強調する。昨秋のGS大阪大会は丸山が内股をかけにきたところを支え釣り込み足で合わせて技ありを奪って勝利した。沖学園高の伊藤監督は「城志郎は勝ちを焦り、引き手が袖ではなく襟を持っていた。内股をかけるには袖を持たないと」と同じく引き手に注目した。

 ◆体

 昨春の全日本選抜体重別選手権や昨夏の世界選手権では序盤は猛攻を仕掛ける阿部が優位だったが、徐々に丸山のペースになった。信川総監督は「延長になれば体力面で丸山選手に分があるが、爆発的な力を持つのは阿部。先手必勝が鍵になる」と序盤戦に注目する。

 昨年の対戦は必ずどちらかがけがを抱えていた。11月に両者を視察した男子日本代表の古根川実コーチは「大きなけがもなく、日を重ねるごとに調子を上げていたので今まで以上の試合になると思う」と予想する。懸念は本来のトーナメント戦なら決勝を迎える夕方に一発勝負で行われる点。「いきなり力を出し切るよう、朝から試合までどう準備するか。両者とも難しそうだ」と勝負のポイントを明かした。

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