「チャレンジしたい」高校日本一の父、プロの兄を追う甲子園球児が早大へ

西日本スポーツ 前田 泰子

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で甲子園のない「特別な年」を経験した高校3年生の球児は進学や就職など来春から新たな道を歩む。筑陽学園(福岡)で主将を務めた中村敢晴は大学野球の名門、早大へ。2年時は下級生では唯一のレギュラーとして春夏の甲子園を経験したが、最後の夏に甲子園に戻れなかった悔しさを次のステージに生かす。福岡大大濠の山城航太郎は2017年春の甲子園出場時のエース三浦銀二と同じ法大で飛躍を狙う。

 早大のアスリート選抜入試の狭き門を突破した。コロナ禍で例年とは違い、リモート面接も行われた。1年秋の明治神宮4強、2年春の甲子園8強などの実績も評価され、4人の合格者の中に中村の名前が入った。「全国トップの選手が集まっている大学なのでチャレンジしたいと思った。楽しみです」と憧れのえんじのユニホームを思い描いた。

 下級生時代は大舞台を何度も経験したが、最上級生となり主将を託された高校ラストイヤーはコロナ禍で不完全燃焼だった。3月からの自粛期間中は寮を離れ大分市の自宅に戻った。トレーニングや食事で体重は13キロも増加。下半身が安定して不安だった守備も送球ミスがなくなった。

 「自分にとってはいい期間だった」。主将としてチーム全体を考える時間もできた。一方で心残りもある。「やっぱり甲子園がなくなったのはつらかった」。夏の選手権中止が決まった日は涙をこらえ主将として3年生全員の前で話をした。

 早大は父親の寿博さん(日本文理大監督)の母校でもある。西日本短大付高で全国優勝し早大へ進んだ。主将を務め、首位打者1度、ベストナイン2度を獲得した華々しい経歴を持つ。高校はあえて父と同じ道に進む決断はせず「父と違う学校で甲子園初優勝を目指したい」と筑陽学園を選んだが、「父を尊敬しているし憧れがあった」と同じ大学を選んだ。

 入試の翌日、神宮球場で東京六大学リーグの早慶戦を見た。「すごい雰囲気だった」と興奮したという。高校で「父に並ぶ」という目標は果たせなかったが、早大で日本一になり「父を超える」ことが新たな目標だ。

 兄の宜聖はプロ野球福岡ソフトバンクの育成選手。「大学で頑張って4年後、プロに指名される選手になりたい」。父と兄に負けないよう、エリート選手が集う伝統校で光り輝く選手になってみせる。 (前田泰子)

PR

高校野球 アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング