【6位】5人が卒業 コロナ禍、無観客のラストステージも〈HKT48十大ニュース2020〉

西日本新聞 古川 泰裕

 2020年も、忘れることのできない別れがあった。今年、HKT48を巣立っていったのは田中菜津美(20)、朝長美桜(22)、深川舞子(21)、月足天音(21)、工藤陽香(14)の5人。指原莉乃と互角に渡り合った1期生のトークマスター・田中、どんな苦境でも腐らず笑顔で頑張り続けた深川。さらに、2期生でセンター経験者でもある朝長の卒業に、多くのファンが心を揺さぶられた。そして、新型コロナウイルス禍の今年は、ファンに直接、さよならを告げられない別れもあった。

 4期生で初の卒業となった月足は3月30日、無観客でのラストステージとなった。観客なしで開くのか、卒業の時期を遅らせるのか。本人の意思を最優先にぎりぎりまで検討されたが、日程が変わることはなかった。公演当日、誰もいないはずの西鉄ホールの座席には、ファンのメッセージがびっしり。有志が集めた言葉を、座席に一枚一枚貼り付けるという粋な演出。月足本人も一緒に出演していたチームTⅡの仲間たちも、冒頭から涙を見せた。

 客席を埋めたメッセージで、月足を華々しく送り出したファンの頑張りも取材した。彼らの奮闘があればこそだが、それでもやはり、直接その目で、耳で、最後のステージを見届けることが許されていたら…。メッセージを懸命にカードに書き込む姿が脳裏に浮かび、そう思わずにはいられなかった。季節はちょうど春。全国各地の学校では、いくつもの卒業式の開催が見送られていた。月足の卒業もまた、そうした“特別な1年”の一幕となっていくのだろう。

 将来を嘱望されていたグループ最年少の5期生・工藤の卒業も衝撃的だった。無邪気で元気いっぱい、グループの空気を明るくしてくれる存在だったが、学業優先の決断をした。仲良しで、いつも一緒にいたという石橋颯(15)が語るように、アイドル活動も学校生活も、どちらも完璧にしようとする性格が、その選択につながったのかもしれない。

 本紙の「月イチ活動報告」の取材では、話したいことを事前に携帯電話にメモしておき、それをそのまま読み上げるというほほ笑ましい一面を見せてくれた。今思えば、生真面目な彼女らしい努力の仕方だったような気がする。風のうわさによれば、生徒会活動に参加するなど精力的に学生生活を謳歌(おうか)しているそうだ。

 卒業後も地元・福岡のラジオなどで持ち前のトーク力を生かし、フォトブックも発売した田中。朝長はアパレルブランド「Amy」のプロデューサーとして服飾などを手がける。管理栄養士を目指す深川も、同級生の豊永阿紀(21)のツイッターで、車を運転してドライブを楽しむ様子を見せてくれた。

 多士済々なHKTは、メンバーのセカンドキャリアもさまざまだ。2021年は、そうしたOGメンバーの活躍にも、今まで以上に目を向けていくことができたらと思う。 (古川泰裕)

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