内村航平が胸中激白 東京五輪も世界選手権も「集大成とは違う」

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 1年延期となった東京五輪が行われる2021年が幕を開けた。体操男子個人総合で五輪2連覇の内村航平(リンガーハット)=長崎県諫早市出身=が西日本スポーツの単独インタビューに応じ、新年の意気込みを語った。

 個人総合から種目別鉄棒に絞って臨む新たな1年は、東京五輪に加え、3歳まで過ごした北九州市で10月に世界選手権が開催される。母国開催の二つのビッグイベントへの思い、気になる「その先」についての考えも明かした。(取材、構成=伊藤瀬里加)

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 -2021年の東京五輪と世界選手権は、個人総合から種目別鉄棒に転向した「ニュー内村」を世界中に披露する機会となる

 結果よりも、演技の内容。人とは違う、質の高さとか、技の見せ方ができるので、そこを見せて、何かを感じ取ってもらえたら。それができれば結果も付いてくるだろうし、大会としての盛り上がりもすごくいいものになると思う。

 -世界選手権は3歳まで過ごした北九州市での開催が決まった

 東京五輪がなければ、たぶん今、体操をやっていることもないと考えると、「何かすごいな」というか…。東京で五輪があるなんて想像もしていなかったのに、生まれた街で世界選手権とは。どんだけ恵まれているのだろうって思った。

 -街の印象は

 小倉駅とか行くと、長崎より栄えているな-と思います(笑)。でも、山とかもある。長崎も似た感じなので、懐かしい感じがすごくある。

 -今年の五輪、世界選手権は集大成という位置づけか。今後について、今の時点での考えは

 う-ん。そこで終わりとは考えたくない。そこで終わりと考えたら、そこまでで終わり。まだまだやるんだという気持ちでやっていかないと、限界が見えちゃいそうな気がする。集大成、「今まで培ってきたものを全部出します」というのとはちょっと違う感じがする。

 -自身が求める理想の演技とはどんなものか

 体操を見ていると思わせないこと。アーティスティック(体操の英語表記はArtistic Gymnastics)とついているので、アートじゃないといけない。一つの芸術。美術館に来たような、絵画や美しい景色を見ているかのようだと思わせるというか。そういうのが理想。

 -昨年11月の国際大会では、「『できない』ではなく、『どうやったらできるか』を考えてほしい」と東京五輪開催を願うスピーチを行った。反響は

 親しい人には「すごく良かったね」と言われた。もちろん、反対の意見もあると思う。(体操の国際大会後にあった)競泳や陸上長距離の日本選手権で何人か発言してましたけど、さまざまな意見があって面白い。しっかりみんな、自分の言葉で言っている。

 -この発言をきっかけに、さまざまな選手が意見を言うようになった

 僕がその流れをつくったとは思わないけど、思っていることを言えない世の中はよくないと思う。少しでも、その流れをつくれたのであれば、いいことはできたんじゃないかな。

 20年は競技内外で存在感を放った「キング」。21年も挑戦は続く。

 ◆内村航平(うちむら・こうへい)1989年1月3日、北九州市生まれ。3歳で長崎県諫早市に移り、両親が経営するクラブで体操を始める。長崎・諫早中-東京・東洋高-日体大。2009―16年に個人総合で世界大会(五輪、世界選手権)8連覇。162センチ、52キロ。

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