歴史に残る死闘、当事者も「高校ラグビーっていいな」 東福岡は「仰星さんの思い背負って戦う」

西日本スポーツ 大窪 正一

 ◆全国高校ラグビー大会準々決勝 東福岡21-21東海大大阪仰星(3日、大阪・花園ラグビー場)

 ノーサイドの瞬間、後半のロスタイムは18分を超えていた。高校ラグビー史に残る大激闘の末、準決勝の出場権を手にしたのは東福岡だった。藤田雄一郎監督は「(東海大大阪)仰星さんの思いも背負って戦う」と紅潮した顔で誓った。

 試合開始早々から自陣にくぎ付けにされ、前半12分、反則から素早い相手の仕掛けに対応できずに先制トライを許した。それでも「落ち着いていた」とロック永住健琉主将(3年)。こだわるFW戦で負けていない自信があったからだ。

 形にしたのが前半終了間際。相手陣深くでFW陣がラックサイドを繰り返し突き、前進。FW周辺に相手防御が寄ってきたところで、バックス展開しCTB平翔太(2年)がインゴールを陥れる。ゴールも成功。同点で折り返した。

 勢いに乗ったヒガシは後半6分に勝ち越しトライを決めると、1分後には体重117キロのプロップ本田啓(3年)の力強い突破などFW、バックス一体で約70メートルをつなぎ、FB坂本公平(同)がノーホイッスルトライ。勝負あったかに見えた。

 だが、このトライの際に坂本が負傷し退場。チーム1の俊足でキッカーも務めるキーマンが不在となったことで相手に流れが傾く。後半15分、同21分と立て続けにトライを許して追いつかれ、ここから一進一退の攻防が始まった。

 23分にPGのチャンスを代役キッカーが外す。ロスタイムにはインゴールへキックしたボールを、坂本に代わって途中出場した西端玄汰(3年)が押さえたが、その前にボールを追った相手選手を妨害した反則があったと判定され“幻のトライ”になった。

 ヒガシといえばFWとバックス一体の展開力。だが、今大会のチームは泥くさいFW戦にこだわってきた。薄氷の勝利だった石見智翠館(島根)との3回戦もFW戦で活路を開いた。この試合もロスタイムに敵陣深くで反則を得ながらPGを狙わずスクラムを選択。強みで勝負する姿勢を貫いた。新たな引き出しがタフな試合を乗り越える原動力になっている。

 「こういう試合ができて良かったと思います。高校ラグビーって、いいなあと思いました」と藤田監督。中1日で臨む準決勝へ「疲労を取るしかない」と4大会ぶりの頂を見据えた。(大窪正一)

   ◇   ◇   ◇

 ○…東福岡のプロップ本田が突破役として持ち味を発揮している。

 117キロの体重を生かした力強い突進で相手防御を引きつけて味方のトライを演出した。石見智翠館(島根)との3回戦では劇的な逆転勝ちにつながる試合終了間際の同点トライを決めるなど、進撃に欠かせないキーマンだ。

 本田は「(防御を突き破る)ラインブレークが役割。FW戦で勝てばチームに勢いがつく」とさらなる活躍を誓った。

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