傷だらけの東福岡、決勝目前で夢破れる それでも見せた底力と、未来への布石

西日本スポーツ 大窪 正一

 ◆全国高校ラグビー大会準決勝 京都成章24-21東福岡(5日、大阪・花園ラグビー場)

 3点を追う後半ロスタイムのラストアタック。逆転サヨナラトライを狙った東福岡のWTB西端玄汰(3年)が右サイドを激走した。敵陣22メートルラインを越え、インゴールに迫ったが、最後はタッチに押し出された。直後にノーサイド。4大会ぶりの覇権奪回を目指したヒガシの夢はついえた。

 18分超のロスタイムの末の引き分け。歴史的死闘を演じた3日の準々決勝、東海大大阪仰星(大阪第1)戦の代償は大きかった。抽選で準決勝に駒を進めたものの「試合前のアップからみんなの疲労を感じていた」と西端は明かす。その激戦で西端は途中出場だっただけに「きょうは自分が勝利に貢献するつもりだった」と涙した。

 試合開始早々に身長194センチのラインアウトの要、ロック田島貫太郎(3年)が肩を痛めて一時ピッチ外に。無理を押して再登場したが、後半6分には交代した。前半11分には突破力のあるナンバー8茨木颯(2年)が左膝を負傷して退場。こだわってきたFW戦の主力を失い、苦しい展開になった。

 それでも今大会準々決勝までの4試合で1トライしか許していなかった京都成章から3トライを奪う底力を示した。守備では何度も自陣ゴール前にくぎ付けにされながらボールを奪い返し、余計なトライを許さない。3点差で食らいつき、最後まで脅かした。ロック永住健琉主将(3年)は「グラウンドに立てなかった3年生もいたので、決勝まで進みたかった」と言葉を絞り出した。

 今大会は代名詞といえるFW、バックス一体の華麗な展開は目立たなかった。東海大大阪仰星戦や薄氷の逆転勝利だった石見智翠館(島根)との3回戦など、体をぶつけて泥くさく前に進むFW戦で活路を開いた。「東福岡の新たなカルチャーですね」と藤田雄一郎監督。「石見(智翠館)さんの思い、(東海大大阪)仰星さんの思いを彼らが背負ってやってくれた」と声を詰まらせた。

 8大会連続の4強ながら決勝進出は4大会続けて逃した。89~91回大会の3連覇など6度の頂点を極めたヒガシは変革の途上。愚直なFW戦という新たな引き出しを増やした今大会は、フェニックス(不死鳥)が再び羽ばたく布石となったはずだ。 (大窪正一)

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