期待の鷹ルーキー「柳田2世」 公園で発掘した恩師には見えていた

西日本スポーツ 長浜 幸治

【シリーズ】ソフトバンク2021ルーキー紹介

 巨人の「V9」を超える「V10」を目指すホークスの次代を担う新人5人の歩みや横顔などを記した「V10のヒーローへ」。第2回は身長193センチの大型野手で高校通算40本塁打を誇るドラフト2位の笹川吉康外野手(18)=神奈川・横浜商高=を取り上げる。規格外のパワーで「柳田2世」と期待される逸材。持ち味のフルスイングは小学3年生のころから培われたものだった。(文中敬称略)

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 「初スカウト」は小学3年のころだった。自宅近くの公園で木の棒とゴムボールで野球に興じていると、見知らぬ男性に声を掛けられた。「ぜひ野球をやってみないか」。当時サッカー少年だった笹川を野球の道に導いたのは、地元・横浜市の少年野球チーム「明神台リトルグランパース」でコーチを務めていた南裕一郎(55)だった。

 「たまたま公園で遊んでいるのを見ていたら、体は細いのに(左)肩に(右)手がぐるぐると巻き付くように木の棒を振っていた。まさに柳田選手のようなスイング。全然知らない子だったけど、直感で面白いなと感じたんです」。強豪の鹿児島商工高(現樟南高)でプレーした南に、笹川は「僕にとって原点の人」と厚い信頼を口にする。

 チームに入ると、笹川はすぐさま才能を発揮した。「来た球は何でも振っちゃう子が多い中、外のボールの見極めもしっかりできていた」。南の脳裏に浮かんだのは自身がかつて対戦した“大スター”の姿だった。「小学生のころ(少年野球チームの大阪遠征で)清原(和博)と対戦してホームランを2本打たれた。その時と同じ雰囲気を感じた。子どもながらにすごみがあった」。柳田のホークス入団当時の背番号「44」を付け「観客の度肝を抜くホームランを打ちたい」と意気込む「ギータ2世」は既に輝きを放っていた。

 幼少期も規格外だった。「生まれてから歩くまでとにかく早かった。2歳になる前には、お出かけすると1・5キロくらい平気で歩けるほどでした」。父昇一(68)は振り返る。3630グラムで誕生した笹川は、幼児の時には電車に乗っても映画館に行っても小学生に間違われるほどだった。

 中学に進学すると、多くのプロ野球選手を輩出した地元の名門硬式野球チーム「中本牧シニア」に加入。1年時からレギュラーをつかむと「家に近いし強い」との理由で甲子園で春夏1度ずつの準優勝を飾った横浜商高に進学。ここでも入学直後の横浜市立大との練習試合でホームランを放つなどすぐさま力を発揮した。高校通算40本塁打の実績を引っさげ、プロの世界に飛び込んだ。

 新人合同自主トレで練習中に左足指を骨折。悔しいスタートとなった。それでも「3歳のころに2度泣いてから涙を見たことがない」と昇一が証言するように、我慢強さは折り紙付きだ。未来の主軸候補は一歩一歩、成長の歩みを進めていく。(長浜幸治)

 ◆笹川吉康(ささがわ・よしやす)2002年5月31日生まれ。神奈川県出身。横浜商高では入学直後からベンチ入りして投手兼外野手として活躍、昨夏の神奈川独自大会では背番号1で5回戦敗退。甲子園出場なし。50メートル6秒2。193センチ、85キロ。左投げ左打ち。

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