ソフトバンク小久保ヘッドは「名参謀」になれるか? 評論家の視点

西日本スポーツ 相島 聡司

 本紙評論家に見どころなどを聞く「CHECK」の2021年大型版。今回は9年ぶりに福岡ソフトバンクに復帰した小久保裕紀ヘッドコーチ(49)について、自身もヘッドコーチ経験を持つ藤原満氏(74)が「名参謀」の資質を語った。猛練習で鳴らした現役時代は主将としてチームをけん引し、現役引退後は日本代表「侍ジャパン」の監督も務めた新ヘッドに、藤原氏が期待することは―。(取材・構成=相島聡司)

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 ―小久保ヘッドコーチが初入閣した

 今年のチームで一番の目玉じゃないかな。(1994年の)入団当初からの幹部候補生が、いろんな経験を積んでチームに帰ってきた。常勝軍団ならではの難しさはあるだろうが、人生経験豊富な新ヘッドなら重責を果たせるはずだ。

 ―常勝軍団の強化に貢献できる人材

 昨季は4年連続日本一になったが、勝ち続けるうちに、マンネリ化する部分もある。どこかで改革も必要。惰性に陥ったチームはすぐに弱くなる。加えて2019年までの2年間はリーグ優勝を逃しているように、決して絶対的な力があるわけではない。新ヘッドコーチはチームにとって最高の刺激になる。

 ―藤原氏も前身の南海でヘッドコーチを務めた

 現役引退してすぐにやらせてもらったが、監督と選手の間に立って苦しいこともあった。ましてやソフトバンクのような常勝軍団はプレッシャーも違う。チームの成績も勝ち続けなければ落ちるだけ。覚悟を持って、チームをまとめるためのパイプ役にならないといけない。

 ―小久保ヘッドの良さは

 現役時代の練習量は半端じゃなかった。背中で引っ張ることができる選手であり、主将だった。私も(南海で)主将を任されたが、みんなを引っ張るには、自分が手を抜くわけにはいかなかった。しんどい一方で、お金では買えない経験だった。そんな経験を積むことができた彼の「徳」を生かしてほしい。

 ―現役引退後も評論家や日本代表監督として勉強や経験を重ねてきた

 しっかりした野球観だけでなく「人間掌握力」も兼ね備えている。人間は単純な生き物。言葉一つでがらりと変わる。彼は人を鼓舞することができる言葉を知っている。侍ジャパンの監督でもいい経験をした。実績に裏打ちされた言葉には重みが生まれる。

 ―日本代表での監督経験は大きな財産

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日の丸を背負い、あの重圧の中で戦った。(決勝トーナメントの)一発勝負で野球の難しさも改めて知っただろうし、それは(短期決戦の)クライマックスシリーズ日本シリーズに通じる部分がある。貴重な財産になるはずだ。

 ―グラウンドでも存在感を発揮してくれそうだ

 これまでの首脳陣には「(選手に)遠慮があるんじゃないか」と感じる部分があった。彼は主力にもはっきり物が言えるはず。その面でもすっきりするんじゃないか。根幹がしっかりしていないと組織は難しい。入団当時から幹部候補生として教育されたことも生きてくる。

 ―仕事は多い

 ヘッドコーチはブルペンにも関わる仕事。彼なら投手陣にも野手の立場からアドバイスできる。現役時代はマウンドによく足を運んでいたし、野手に対してだけではなく、投手にもどんな言葉を掛けたらいいかを知っているはずだ。

 ―21年シーズンの「小久保効果」が楽しみ

 ヘッドコーチは普通のコーチではない。コーチをまとめて監督に進言しないといけない立場。監督が迷っている局面では、決断の後押しも求められる。それができれば、監督も楽になる。名将にはいい参謀が必ずいる。名参謀になってほしいし、なれる人材だ。

 ◆藤原満(ふじわら・みつる)1946年9月18日生まれ。松山市出身。松山商高から近大を経て、ドラフト4位で69年に南海(現ソフトバンク)に入団。76年に打率3割2厘、50盗塁をマークし、ベストナインに輝くなどガッツあふれる万能内野手として活躍。通算成績は1334安打、65本塁打、413打点、195盗塁。打率2割7分8厘。82年限りで現役引退した後、南海、ダイエー(現ソフトバンク)でヘッドコーチや2軍監督などを歴任。

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