「V5」目指すソフトバンク、今季の先発ローテはどうなる? 評論家の見方は「残り2枠」

西日本スポーツ 相島 聡司

 西日本スポーツ評論家に見どころなどを聞く「CHECK」の2021年大型版。今回はリーグ屈指の選手層を誇る先発陣について、西村龍次氏(52)に聞いた。昨季は投手3冠の千賀、同2冠の石川、東浜らローテの中心は脂が乗りきった年代。実績ある外国人2人の退団が濃厚な状況だが、新外国人レイを獲得し、松本や笠谷ら若手も台頭。ここ一番での「救世主」を期待するベテラン和田を含め、今季の陣容にも「不安なし」を強調した。(取材・構成=相島聡司)

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 ―先発陣はバンデンハーク、ムーアの退団が濃厚

 昨季はあまり1軍にいなかったバンデンハークはともかく、数が少ない左の先発のムーアがいなくなるのは痛い。ムーアに代わる存在には、同じ左腕の笠谷や大竹の名前が挙がるだろう。特に昨季4勝と経験を積んだ笠谷には首脳陣も期待しているはずだ。

 ―今季の陣容は

 変化はあるだろうが、先発は正直、頭数が余っている状態。陣容的に不安は見当たらない。まず千賀、石川、東浜は決まりで、新外国人のレイも加わってくるだろう。そうなると残りは2枠。ここに誰が入るかという争いになる。

 ―期待の投手は

 右では松本。彼はものすごく器用な上に、ここ1、2年は球速が150キロを超えるようになった。それ以前は140キロを超えるぐらいで、変化球でかわしていた印象だったが、力強さがぐっと増した。もともとコントロールが良く、打者との駆け引きもうまい。

 ―左腕では

 やはり笠谷。彼には球の速さ、切れの良さがある。課題はコントロール。ストライク先行にできないから、ストライクを取るために抑えて投げないといけなくなる。自分有利のカウントにできれば、腕を振っていい球を投げられる。彼が活躍すれば、同じ左腕で球威ではひけを取らない古谷も触発されるはず。

 ―左腕には大竹もいる

 大竹は球威はないが、ボールが先行しても勝負できるコントロールがある。遅いボールで勝負できる投手は少ないし、貴重な存在になれる。そんなタイプも先発にはいた方がいい。

 ―その理由は

 例えば160キロ近い千賀の次に石川が投げたら、同じ速球派でも相手はあまり速さを感じないだろう。その意味で、球が速い投手が投げた後の先発は、遅い球を操れる投手やタイプが大きく違う投手の方がいいことがある。自分のヤクルトでの現役時代にも宮本賢治さんというアンダースローの投手が、いい働きをしていた。

 ―他にも候補は多い

 高橋礼は先発、昨季のような「第2先発」的な起用のどちらでも生きる。二保もいるし、武田、板東、尾形らもいる。杉山は球威には目を見張るものがあるが、コントロールに課題がある。田中も「おっ!」という球はあるが、それを続けられていない。

 ―ベテラン和田がいい働きをしている

 1軍が本当にピンチになったときには、和田が必ず救ってくれるはず。昨季は(10月11日の)ロッテ戦での貴重な白星など8勝(1敗)を挙げて、一人で7個の貯金をつくった。ただ年齢的なこともある。1年間ローテで投げ続けるのは難しいだろう。昨季のように2、3試合投げて登録抹消して調整という形になるのではないか。

 ―2月に40歳となる左腕の存在感は大きい

 チームのピンチがいつ訪れるかは分からないが、和田はそこに合わせてくれればいいと思う。その意味では、和田の本当の開幕は遅ければ遅いほどいいし、彼は精神的な支柱でもある。投げないときも1軍に同行して若い投手の話を聞くだけでも全然違う。

 ―若手からベテランまでやはり層は厚い

 本当に候補は多い。ただ、40代になった和田の星勘定をしているようでは駄目。若手の笠谷、松本らが放っておいても1年間ローテを任せられるようになれば、先発陣はより盤石になる。

 ◆西村龍次(にしむら・たつじ)1968年7月18日生まれ。広島県呉市出身。ヤマハからドラフト1位で90年にヤクルト入団。新人から4年連続2桁勝利。95年に近鉄へ移籍、ダイエー(当時)に移籍した98年に、前年未勝利から10勝を挙げてカムバック賞を受賞。両リーグで開幕投手を計5度務め、ダイエー初優勝の99年、2000年を含め優勝が4度。「開幕に西村が投げれば優勝する」と話題に。01年限りで引退し野球解説者。通算成績は205試合で75勝68敗、防御率3・76。

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