ソフトバンクの守護神・森 「勤続疲労」の不安は…? 評論家の視点

西日本スポーツ 相島 聡司

 本紙評論家に見どころなどを聞く「CHECK」の2021年大型版。今回は鉄腕ストッパーの森唯斗投手(29)について、自身も抑え経験がある池田親興氏(61)に聞いた。入団から昨季まで7年連続で50試合以上に登板しているタフネス右腕に改めて賛辞を贈る一方で、万が一のケースなどに備えた「バックアッパー」の必要性を強調した。(取材・構成=相島聡司)

■1年目から7年連続50戦登板

 ―守護神の森は昨季も52試合に登板した。誰もが認める鉄腕ながら「勤続疲労」の影響が気掛かりだ

 昨季の終盤は走者を出すシーンも多かったので、そんな印象を持つ人もいたことだろう。それでもリードを守って終わっているのが、彼のすごさ。本人も内容に満足はしていないだろうが「森で負けたらしょうがない」というものを築き上げている。

 ―V5を目指す今季もフル稼働になりそう

 彼の「強さ」があってこその昨季終盤の連勝だったが、それに伴って登板数も増えた。これだけ投げると、どんなにタフな選手でもけがの心配があるし、体が思うように動かないこともあるかもしれない。年間を通しての使い方を考えて、休ませるという選択をするためにも、彼の代わりを務められる選手が欲しい。

 ―可能性がある選手は

 チームとして、モイネロの位置は(8回から)変えたくない。泉も救援で経験を積み、甲斐野も故障から戻ってくるだろう。武田や椎野をどう使うかという部分もあるが、今見る限りでは、経験値を含めて森の代わりを任せられる選手は見当たらない。杉山は真っすぐの速さがあるが、その真っすぐを打たれていることを考えないといけない。

 ―救援陣の中でも代わりが利かない存在

 どんな選手にも当てはまることだが「バックアッパー」を考えておくことは絶対に必要。ベンチも森の調子が上がらない可能性は頭に入れているはず。存在が大きいからといって(森に代わる存在を)諦めることはできない。責任感が強い森はしっかり仕事を果たすだろうが、そこに食い込んでいく選手も欲しい。

 ―現状を打破して台頭する選手が待たれる

 絶対的な存在だったサファテが故障した後、森は「俺がやる」という決意で抑えを引き継ぎ、結果を出した。それだけの気持ちを持つ若手が何人出てくるか。現在の森のように「この選手で負けたらしょうがない」という信頼を得るためには、よほどのことをしないといけない。

 ―若手への期待は

 具体的な目標を設定して、実現するための努力をしてほしい。「勝利の方程式に食い込む」や「先発ローテに入る」などいろんな目標があるだろうが、待ちの姿勢では駄目。目の色を変えて取り組むことで、チーム内の競争は激しくなる。それが結果的に森をはじめとしたベテランや中堅の刺激にもなり、5年連続の日本一にもつながる。

 ―昨季はロッテに苦しめられた

 今季は相手が研究を深めてくるだろうし、今までと同じ感覚では駄目。昨季のロッテのように、どの球団もホークスに挑んでくる。昨季の経験を生かして、さらにプラスアルファをつくらないとしんどくなる。今よりも骨太のチームになるためには、さらなるチーム内の競争が欠かせない。

 ―現状に甘んじていてはV5は難しい

 どのポジションであれ、今の選手を脅かす選手が現れ、チームが変化していくことが必要。常勝となったホークスもそうやって歴史をつくってきた。昨季は野手陣で栗原が起用に応え、今宮がいなかった内野陣には周東や川瀬らが出てきた。実績ある和田、森らもまた一つ年を取るだけに、若手投手は虎視眈々(たんたん)と狙ってほしい。

 ◆池田親興(いけだ・ちかふさ)1959年5月17日生まれ。宮崎市出身。高鍋高から法大、日産自動車を経て84年にドラフト2位で阪神入団。初の開幕投手を務めた85年、西武との日本シリーズ第1戦でシリーズ初登板完封勝利で初の日本一に貢献。91年福岡ダイエーに移籍し、抑えとして活躍。95年にヤクルトに移籍、同年オフに現役引退。96年はダイエーのスカウトを務め、97年から野球解説者。通算277試合登板、53勝69敗30セーブ、防御率4・58。右投げ右打ち。

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