「熱男」も今年で38歳…ソフトバンク松田は三塁を守りぬけるか? 分析の専門家はこう見る

西日本スポーツ 森 淳

 プロ16年目を迎えた松田宣浩内野手(37)の威勢がいい。ベテランになっても変わらない元気印の「熱男」。もっとも昨季は連続試合出場が815で止まり、ゴールデングラブ賞の連続受賞も7年でストップした。チームは成長株の栗原を三塁にも挑戦させる方針。取り巻く空気も変わりつつある中、松田は「自分の城は自分で守る」と三塁を死守する構えだ。プロ野球のデータを独自に収集、分析するDELTA(デルタ)の協力のもと「三塁松田」の現状と、今後を考えた。(構成=森 淳)

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 「ギータ(柳田)とホームラン数争いをしたい」と言うあたり、キャンプ前とはいえ順調ぶりがうかがえる。5月で38歳。老け込むどころか、ますます元気だ。栗原の三塁挑戦プランが浮上しても「そう甘いものじゃない。自分の城は自分で守る」と意地をのぞかせる。1年目からほぼ三塁一本。特に2015年以降は故障知らずで守ってきた。

 もっとも、昨季のゴールデングラブ賞投票ではパ・リーグ三塁手2位にとどまり、鈴木大(楽天)にトップを奪われた。二遊間で経験豊富な鈴木大が強敵なのは無理もないが、票数は141対88と差がついた。

 昨季は113試合守って7失策。打球処理で5個、自信を持つ送球で2個だった。守備率9割6分8厘は例年同様で、通算とも大きな差はない。全盛期に比べて衰えが指摘されていたのも事実だが、公式記録だけでは判然としない。

 セイバーメトリクスではどうか。守備指標にはDPR(併殺完成による貢献)、RngR(打球処理による貢献)、ErrR(失策抑止による貢献)、それらを合計した総合指標UZRなどがある。それぞれ、その年の平均値(デルタでは12球団平均)との比較で算出される相対評価のため年ごとの相場もあるが、熱男も年を重ねるにつれ、RngRの低下傾向、つまり守備範囲が狭まっている傾向は否めない。デルタの集計では、特に三遊間の打球処理に苦しんでいるという。

 デルタによるデータ視点の守備ベストナイン「1.02 FIELDING AWARDS」の昨季選考では12球団の三塁手で4位だった。アナリストによっては球場ごとのゴロアウトの取りやすさも分析。二階堂智志氏がそれに基づいて補正したところ、松田のUZRはマイナスになったという。

 もっとも、年齢を考えればUZRは大健闘との見方だ。アナリスト大南淳氏は「基本的に守備力にもコンディションの良しあしが大いに関わってきます。足腰の故障などがあると、UZRは急激に低下することが非常に多い。そういった意味で、ベテランは休養を挟みつつ出場するのが守備力を保つポイントになっています」と言う。松田の昨季守備イニングは940回2/3。チームでは栗原の1032回1/3に次ぎ、全イニングの約88%を守っている計算。「ほぼフル出場を続けており、おそらくコンディションが悪い中での出場もあるのではないでしょうか」と続けた。

 栗原の三塁起用は一見、松田にとってデメリットが大きくても、ローテーションの形で機能するとすれば、シーズンを通して守備力を高く保つ上で有効かもしれない。なお、三塁のゴールデングラブ賞は2012年に宮本慎也(ヤクルト)が41歳11カ月で受賞。これが同賞全体の最年長記録でもある。パの三塁手は1993年石毛宏典(西武)の37歳が最年長。松田が返り咲けばパの記録を更新できる。

 ◆分析の詳細はデルタの運営するデータサイト「1.02 Essence of Baseball」のコラムで。https://1point02.jp/op/gnav/column/bs/column.aspx?cid=53664

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