「史上最弱チーム」から日本一へ 明豊、コロナ禍で涙した先輩の思いも背負い吉報待つ

西日本スポーツ 前田 泰子

 先輩の思いも背負い、目指すは日本一-。第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校を決める選考委員会が29日、初めてオンラインで開催される。昨秋の九州大会で4強入りした明豊(大分)は、昨春の第92回大会も出場校に選ばれながら新型コロナウイルスの影響で大会が中止された。春の聖地に立てなかった先輩たちの目標でもあった全国制覇を成し遂げようと吉報を待つ。九州大会で優勝した大崎(長崎)、準優勝の福岡大大濠、4強の宮崎商の選出も有力。21世紀枠では具志川商(沖縄)が九州地区の候補に選ばれている。

 待ちに待った選抜大会の出場校決定日がようやくやってきた。「3年生が悔しい思いをしたので3年生のためにも日本一になりたい」。2020年春、大会開幕1週間前に中止が決定した悪夢を振り返り、幸修也主将(2年)は目標を掲げた。

 2年前の秋の九州大会で優勝し、明治神宮大会に出場したチームだった。19年の選抜大会で準決勝まで進み「今年こそ日本一」が合言葉だった昨春。「日本一を狙っていたチームだったので、失うものは大きかったです」と昨春もベンチ入り予定だった幸主将は当時の落胆を思い起こした。

 その後の公式戦も全てなくなり、夏の選手権も行われず代替大会となった。昨年8月の甲子園交流試合で1試合だけ甲子園でプレーできたのが3年生の唯一の思い出。それでも3年生たちは気力を失うことなくチームを引っ張ってくれた。

 現チームはそんな前年度のチームのような投打の軸がいない。昨秋の大分大会の前に行われた大分県選手権では決勝で津久見に5-6で敗れた。川崎絢平監督から現チームのスタート時のミーティングで「明豊で指導してきた中で史上最弱のチームだ」と言われたほどだった。

 「監督に言われた言葉で火がつきましたね」と幸主将は振り返る。九州大会予選の大分大会で優勝し、九州大会も九州国際大付(福岡)、神村学園(鹿児島)と強豪を破り、秋の九州大会では3年連続で4強入り。「選手たちには『3年生のために』という思いがあったんだと思う。九州大会もそういう気持ちがあったから4強入りできた」と川崎監督は発奮した選手の頑張りを認めた。

 冬の練習では弱点と言われる打力アップのためバットを振り込み、例年以上に厳しくトレーニングをこなした。3年生も練習の手伝いや打撃投手などでサポートしてくれた。「甲子園で勝って3年生に恩返ししたい」と3番の黒木日向(2年)は力を込める。出場が決まれば3年生の気持ちも込めて、春の空に校歌を響かせるつもりだ。 (前田泰子)

 ○…投手陣は右腕の京本真(2年)と左腕の太田虎次朗(同)の二枚看板がチームを支える。188センチの長身から最速143キロの直球を投げ下ろす京本は「長いイニングを投げられるよう体づくりをしてきました」と手応えを口にする。最速141キロの太田は「145キロまで伸ばしたい」と体重増加に取り組み、秋から体重は3キロ増えた。昨秋は京本がエースナンバーで太田は背番号10。「春はエースを取りたい」と太田。エース争いもこれからさらに激しくなる。

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