響いた島民放送「甲子園出場が決まりました」 島で唯一の高校、荒れ放題の球場から始まった夢

西日本スポーツ 前田 泰子

 第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校を決める選考委員会が29日、初めてオンラインで開催され、昨秋の九州大会で初優勝した大崎(長崎)が春夏通じて初めての聖地切符を手にした。

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 九州の西に浮かぶ小さな島に大きな知らせが届いた。「大崎高校の甲子園出場が決まりました。応援よろしくお願いします」。うれしいニュースが島内放送で響いた。

 選抜大会を制した清峰を全国レベルに押し上げ、監督として佐世保実を甲子園に導いた清水央彦監督の最初の仕事はグラウンド整備だった。就任した2018年春、練習場となっていた市営球場は草が伸び放題で外野フェンスは傾いていた。土を入れ替え、防球ネットを張り、内野を照らす照明もついた。「協力してくださった皆さんのおかげ。関わってくださった皆さんの成果だと思う」。清水監督は感極まって言葉を詰まらせた後、こう絞り出した。「甲子園に行くのではなく勝つことを目的に頑張ろう」

 朗報の発表は清水監督就任時の1期生となる3年生も立ち会った。2年前の夏に初戦敗退した後、「もっと厳しく指導してほしい」と清水監督に直訴。キャッチボール一つとっても細かく指導を受け、チームの実力は加速度的にアップ。後輩たちの快挙につなげた。

 中心となるのは坂本安司(2年)と調祐李(同)のバッテリー。昨秋の九州大会で3試合を完投したエース坂本は「真っすぐで抑えられるような投球をしたい」と全国の強豪相手に真っ向勝負を挑む。リードする調は「打撃でも頑張りたい」と4番としてもエースを援護するつもりだ。

 島の人々はいつも「頑張ってね」とやさしく選手に声をかけ、寮に魚や野菜を差し入れてくれることもある。「長崎、九州の代表として恥ずかしくない試合をしたい」と秋山章一郎主将。次は甲子園初勝利のニュースを島中に響かせる。(前田泰子)

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