昨季は大ブレーク、ソフトバンク栗原は「2年目のジンクス」を打破できるか? 評論家はこう見る

西日本スポーツ 相島 聡司

 西日本スポーツ評論家に見どころなどを聞く「CHECK」の2021年大型版。今回は昨季大ブレークした栗原陵矢捕手(24)について、柴原洋氏(46)に聞いた。1軍では「実質2年目」となる今季、同じ24歳でレギュラーに定着した柴原氏も直面した「2年目のジンクス」をどう打破するのか―。昨季は外野での起用が中心だった成長株の強みに、本来のポジションである捕手での経験を挙げた。(取材・構成=相島聡司)

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 ―昨季は栗原が6年目で大ブレークした

 柳田に次ぐチーム2位の73打点を稼いだことは本当に大きかった。一方で、打率(2割4分3厘)はいい月と悪い月の差が激しかったから。契約更改の時から「3割は残したい」と語っているように、今季は打率3割を目指してほしい。そのためには、調子の波の大きさをどれだけ修正できるか。安定感が出てくれば、1年を通してしっかり戦える。

 ―「2年目のジンクス」と言われる。柴原氏も1998年に打率3割1分4厘を残してレギュラーに定着したが、99年は2割6分3厘に成績を落とした

 相手もデータを研究してくるし、同じようなパターンでの攻めはまずない。98年に外の球を逆方向にうまく打てていたことから、99年は内角への配球が増えた。開幕から1番に入ったこともあり、攻めも厳しくなった。それにうまく対応できなかった。「打率はもっと上げられるはず」などと考えすぎた面もある。

 ―柴原氏と同じ24歳で大ブレークした栗原も「(今季は)実質2年目」と口にしている

 データを集められて、強い部分、弱い部分を分析されているはず。今はデジタル化されているから、昔より細かく傾向が出てくるだろう。だからこそ、技術向上に加え、相手に「どう攻められたか」などより細かい研究が必要。まずは自分自身をしっかりと見直す作業が大切になる。

 ―栗原に対する相手の配球パターンを予想すれば

 内角をさばくのがうまく、広角にも打てるとはいえ、そこまでの打率はまだ残していない。相手は内角の厳しいコースを見せながら、外角の出し入れで勝負してくるのでは。その外角を反対方向にしっかり打つ確率を上げられれば、勝負強さももっと出てくる。

 ―内角打ちのうまさには理由がある

 左肘の使い方、入れ方がうまいので、ボールの内側にバットを入れることができる。だから、右翼ポール際の打球が切れない。ただ、技術的には外もうまく打てるだけのものを持っている。多くを求めてほしい。

 ―すごい打者になる可能性を秘めている

 今も打率3割、本塁打20本以上、打点も80から90は稼げるだけの能力はある。ただ、弱点をとことん突くのがバッテリーで、それをさばくのが打者。レベルが上がった「化かし合い」を、どうやってものにできるか。そこが勝負になる。

 ―「化かし合い」の面では捕手の経験も生きる

 自分への配球を捕手目線で考えてみるのも一つの手だ。自分に対して、自分ならどんな攻め方をするのか。捕手の経験は打席で必ず生きると思う。

 ―捕手経験がある強打者は多い

 (日本ハム、巨人、中日でプレーした)小笠原(道大)さん、(西武、中日でプレーした)和田(一浩)さんもそう。特に小笠原さんは同じ左打者だし、同じようなスタイルの打者になれるはず。小笠原さんが持っていたような「いやらしさ」を身に付けてほしい。

 ―そうなれば、チームにとって大きい

 3番に柳田、4、5番に外国人選手、6番にいやらしい栗原。この打線のつながり、クリーンアップからの流れは、相手にとって嫌なはず。栗原は「走者をかえす役目」が求められることになるだろうが、そこからチャンスメークもできる打者を目指してほしい。

 ―本職は捕手だが、今季は三塁にも挑戦する

 昨季も一塁や外野を器用にこなしていたし、ハンドリングもいい。面白い試みだと思う。マッチ(松田)のいいライバルになれば、工藤監督の選手起用のバリエーションも広がる。まだまだ伸びしろがある選手。どんな取り組みをして、どんな変化、結果を見せてくれるか楽しみだ。

 ◆柴原洋(しばはら・ひろし) 1974年生まれ。九州共立大学在学時の96年、ドラフト3位で福岡ダイエーホークスに入団。99年、2003年の日本一に貢献。3度のゴールデングラブ賞(00年、01年、03年)、2度のベストナイン(1998年、2000年)に輝く。ホークス一筋15年。11年に引退後は、テレビやスポーツ紙の野球評論家を務めるほか、野球解説者としても活躍。九州共立大学特別客員講師、北九州市スポーツ大使、18年には自由ケ丘高校(北九州市)の野球部臨時コーチに就任。

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