日本代表DF冨安健洋が語る「書かれる側」の気持ち メディアへの願い

西日本スポーツ

 ◆冨安健洋コラム「僕の生きる道」

 サッカー日本代表DFで、東京五輪での活躍が期待されるイタリア・セリエAボローニャの冨安健洋。福岡で生まれ育ち、アビスパ福岡で土台を築き、活躍の場を海外に広げた。これまで歩んできた道を振り返りながら、現在の考えや未来、理想などをコラム「僕の生きる道」につづる。

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 自分には絶対にできないかな…。そう感じるのがメディアの仕事ですね。今回はサッカー選手として接する中で感じていることを話します。欧州は試合後、メディアが点数をつけて選手のプレーを採点することが主流です。プロである以上、評価は避けられませんが、辛口の採点を受けることも多くあります。自分も人間なので、イタリアに移籍したばかりのころは気になってしまいました。

 いいプレーをしたと思っても評価が高くなかったり、その逆だったり、ボローニャで活躍する若い選手の評価が自分の感じ方とギャップがあったり。そういう事例が続くうちに、イタリアでどんなプレーや選手が評価されるのか分かってきた。評価基準は国によって異なるだろうし、まずは自分のプレーをすることが一番大事。あまり気にする必要はないと感じるようになれた。完全に遮断することはできないので、できるだけ遠ざけるように心がけています。

 誤解してもらいたくないですが、取材を受ける場合は記者の皆さんに敬意を持って接しています。何かを達成した後に大きく取り上げていただく喜びはあります。厳しい意見も受け入れて対応するのは自分たちの仕事の一部と理解しています。とはいえ、その環境に入ってみないと分からない苦労があります。

 欧州でプレーする選手は数多くのメディアで紹介されています。現地での厳しい報道がそのまま日本で引用されるケースもあるのでしょう。現状、苦境に置かれている選手もいるのかもしれません。それぞれに置かれた状況、ルール、戦術があり、その中でプレーしている。よくないプレーをしたら、本人が一番よく分かっているもの。自分だって、いつどのような状況に立たされるか分からない。どの選手も難しさを抱えていることが伝わればありがたいです。

 今回のコラムのテーマにメディアを選んだのは、書かれる側の気持ちや意識を少しでも読者の皆さんに知ってもらいたかったからです。「こういう思いを抱えながら、時には悩みながらやっているよ」と。メディアの皆さんに何かを変えてほしいと言いたいわけではありません。書き方を変えてくれ、という資格もない。記者の皆さんもプロフェッショナルとして、大事な仕事をしていることは感じています。

 SNS(会員制交流サイト)が発達した今の時代は、サッカー以外のニュースでも刺激的な内容だったり、ネガティブな記事が求められたりする傾向があるのかもしれません。そんな中でも、なるべくポジティブな面に光を当てた記事が増えればいいのに、というのが率直な意見です。(サッカー日本代表、ボローニャ)

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