ソフトバンクの「レジェンド」そろい踏み その視線の先にある厳しい現実

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク春季キャンプ(5日、宮崎・生目の杜運動公園)

 午前8時30分。球場へ向かうためレンタカーに乗り込むと、いつものようにカーナビ情報が流れた。普段はあまり耳を傾けないのだが、この日は妙に耳に残った。それもそのはず。2月5日は「プロ野球の日」というアナウンスだった。

 詳しく調べると1936年のこの日、日本野球機構(NPB)の前身となる日本職業野球連盟が発足したことを記念して制定されたとあった。東京巨人軍(現巨人)をはじめ7球団が加盟しての始動だった。

 だが、さてそうなると、こちらもそれにちなんだネタ探しでもするかと構えてみたものの、そんな都合よくネタが見つかるはずもなく、いたずらに時間が過ぎた。午後2時半すぎには全体練習も終了。いよいよまずいなと思案していると、目の前に「奇跡の3ショット」が出来上がっていた。

 王球団会長、小久保ヘッドコーチ、城島球団会長付特別アドバイザーの3人だ。この「レジェンド」たちが、メイン球場の三塁側ベンチ前に並んで会話していた。ご存じの通り、プロ野球に輝かしい足跡を残した方々だ。いかにも「プロ野球の日」らしい光景だな(多少強引ではあるが…)と思いつつ視線の先を追うと、上林、栗原の2人が全体練習後の特打で白球を打ち込んでいた。

 その光景をスタンドから眺めながら、王会長がまだホークスの監督を務めていた時によく言っていた言葉を思い出した。「自分にとってのライバルが誰か、自分で知ることが何より大切」「ライバルを意識することが、自分の成長につながる」。投手でプロ入りしながら打者に転向し、世界のホームラン王にまで上り詰めた方の言葉だけに、重みと説得力があった。

 目の前では圧巻の飛距離と打球速度を競い合うように、上林と栗原が必死にバットを振り込んでいた。互いがライバルなのは周知の事実。だからこそ、首脳陣もこの日の特打で2人を同組にしたのだろう。切磋琢磨(せっさたくま)での向上を誰もが願っている。

 その一方で、柳田ら不動のレギュラー陣がけがでもしない限り、この2人がそろって試合に出る可能性は低い。何とも厳しい世界だと再認識させられた「プロ野球の日」でもあった。 (石田泰隆)

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ