ソフトバンク甲斐、城島アドバイザーと至福の30分 キャノン進化確信

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆ソフトバンク春季キャンプ(9日=宮崎・生目の杜運動公園)

 福岡ソフトバンクの甲斐拓也捕手(28)が、城島健司球団会長付特別アドバイザー(44)から変幻自在の「ジョースローイング」を伝授された。自身と同じく強肩でならした大先輩に、どんな体勢からでも自在に安定したスローを繰り出せるように約30分薫陶を受けた。「甲斐キャノン」に新オプションを加え、3年ぶりの盗塁阻止率1位返り咲きを目指してさらなる進化を遂げていく。

盗塁阻止率1位返り咲きへ

 メイン球場のアイビースタジアムでフリー打撃が行われていた昼すぎ、甲斐は合間をぬって隣接するサブグラウンドに足を運んだ。すぐそばには指導をお願いした城島アドバイザーの姿があり、送球練習に取り組む正捕手に鋭い視線を向けていた。

 まずいつも通りにマウンド方面に左足を踏み出し、二塁まで糸を引くような送球を繰り出し続けていた甲斐に、城島アドバイザーが声を掛けた。「(盗塁刺しは)一発の勝負だからね。やっぱりいろんなバリエーションを持っていたほうがいいよ」。すると、身ぶり手ぶりを交えながら、後輩に熱い指導を施した。

 甲斐は「実際に見て、教えていただくことは間違いなくプラス」とうなずく。安定送球に欠かせないしっかりとした握りを確認。まずは正確な捕球を心掛けることの重要さを説かれたほか、実戦の中で起こりうるさまざまな送球体勢なども考慮。空振りした打者が邪魔になって前足を踏み込めなかったり、低めの変化球を捕球して体が横に倒れかかってもきっちり二塁まで投げられる技術を身に付けるよう助言されたという。

 現役時には球をミットの芯で捕球することを重視。正確に握り、体勢が崩れて少し腕が下がった投げ方でも、盗塁成功率歴代3位(8割1分9厘)の松井稼頭央(当時西武)や成功率7割超の小坂誠(同ロッテ)ら数々のスピードスターと好勝負を繰り広げた。そんな城島アドバイザーの的確なアドバイスに甲斐は「生かしていきたい」と決意を新たにする。

 五輪、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)と国際経験も豊富な大先輩ならではの指導もあった。「国際球は滑るから。そういった意味でもしっかり握ることが大事、と言っていただいた」。侍ジャパンでも正捕手を目指していく男にとっては金言そのもので、さっそく「ジョースローイング」に挑戦していた。

 会得して、目指すものがある。昨季4年連続4度目のゴールデングラブ賞を獲得した名手は盗塁阻止率1位奪回を自身に課す。かねて「これまではあまり気にしていなかったが、今年は意識して1番を取りたい」と明言するなど、強いこだわりを示し今季に臨んでいる。

 2018年には4割4分7厘と圧倒的な数字でリーグ1位に輝いたが、19年は3割4分2厘で同4位、20年は3割2分8厘で同2位だった。それだけに「こういう機会をつくっていただき本当にありがたいです」と“レジェンド”への思いは強い。トップの奪回はもちろん、城島アドバイザーも02年に達成(5割8厘)している大台5割も見据え、宮崎で「甲斐キャノン」を進化させていく。 (山田孝人)

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