「小久保イズム」浸透感じたソフトバンクナインの「行動」

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆ソフトバンク春季キャンプ(11日=宮崎・生目の杜運動公園)

 2月11日は「ノムさん」こと、野村克也さん(享年84)の一周忌だった。現役引退後に監督を務めたヤクルト、阪神、楽天の各キャンプ地には弔意を示す半旗が掲げられたそうだ。プロ野球界の偉大な功労者だけに、当然のことだ。

 さて、ホークスの宮崎キャンプは、この日で第3クールが終了した。見ていて感じるのは「小久保イズム」が随所に浸透し始めている点。一例を挙げれば、多目的グラウンドでのウオーミングアップ後、メイン球場に戻る際の行動だ。

 とにかく、全員が走って移動する。アップ後につらそうなランニングメニューをこなした後でも、野手陣は必ず走ってメイン球場へ戻っていく。息をゼーゼーと切らしていても関係ない。選手会長の中村晃は「寒いからですよ」と笑うが、本音は違うだろう。

 若手の頃は小久保ヘッドコーチ(HC)の下で自主トレに励み、プロ野球選手としてのイロハを間近で学んだ数少ない現役選手の一人だ。妥協を嫌う「野球人・小久保」の考えを誰よりも熟知するからこそ、率先して行動に移しているのではなかろうか。

 その証しと言っては何だが、中村晃は常に先頭を走り、メイン球場へ戻っていく。ある時はチームの伝統でもある「ホークス歩調」の掛け声を出し、年下の選手を従えて走っていた。

 昨年までは見られなかった光景だけに、当初は「移動=ランニング」は小久保HCの指示とばかり思っていた。しかし「自分たちからやりだしたんよ。意識が高いね」と喜んでいた姿を見ると、どうやらこちらの思い過ごしだったようだ。

 「本当は(ランニングでの移動を)言おうと思っていたけどね」と笑って付け足された時は「やっぱりか」とこちらは選手でもないのにヒヤリとしたが、選手が自発的に行動に移したことが何よりうれしそうだった。

 もちろん、その時に限らず、野手陣は多くが走って施設内を移動している。強制ではなく、自発的に、だ。本多内野守備走塁コーチは「ウチのチームはこれが当たり前のこと。その意識がここ数年は低くなっていた」と口にした。これまで指摘できなかった自身への反省を踏まえた言葉も、どこか印象的だった。 (石田泰隆)

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