月間練習量100キロ延長 箱根準V創価大、榎木監督が注入したのは「旭化成イズム」

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 今年正月の箱根駅伝で大躍進を見せたのが往路優勝、総合準優勝の創価大だった。出場4度目で、過去最高成績は2020年の総合9位だったチームが一気に飛躍した。宮崎県出身で、現役時代は旭化成の選手として活躍した榎木和貴監督に就任2年目でステップアップした要因を聞いた。

 創価大は15年に箱根駅伝初出場を果たした。17年にも出場した後、2年続けて出場を逃した直後の19年2月に就任。「大学や選手の『箱根に出たい』という強い気持ちに応えたいと感じた」と思いを明かした。就任時のチーム状況は「能力の高い選手も数多くいたが、目標と目的意識が明確でなく、出場できなかった理由を分析できていなかった」と振り返った。

 箱根で21キロ前後を走りきるための練習量が足りないと感じた榎木監督は、月間走行距離で平均500~650キロだったチームに平均750キロという目標を与えた。「半信半疑だった選手たちも2カ月、3カ月と練習を継続し、自己記録を出すケースが増えたことで信頼感が生まれた」と手応えを感じた。

 旭化成時代の経験も踏まえて「人のためではなく自分がどうなりたいか。どのような結果を出したいかを考えて行動することの大切さ」を説く。2~3カ月おきに選手全員と面談し、目標を上方、下方修正することで達成への道筋を共有した。

 1年目は予選を突破し、初のシード権獲得。総合3位の目標を立てた20年度はコロナ禍が襲った。試合がなくなった4~6月は土台づくりに専念。部員46人中、約半数が実家に帰省したが、衛星利用測位システム(GPS)機能付きの時計とアプリを使って練習状況を把握。部員同士で情報を「見える化」した。

 目標の総合3位以内を達成し、新たなステージも見えてきた。往路で優勝し、復路も9区まで首位を走りながら、10区で駒大に3分19秒差を逆転された。「自信にもつながったと感じる半面、優勝を目標にするチームとの心のプレッシャーは全く違う」と痛感した。

 「出雲駅伝、全日本大学駅伝と上位で争える力を証明できて、初めて箱根駅伝の優勝という目標を口にできる。焦らず、じっくりチーム強化を図りたい」。地に足をつけた強化で伝統を築く。 (伊藤瀬里加)

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