アビスパ監督の「まだまだ」に見た確信と自信 5年ぶりJ1へ「去年より“チームになる”のは早い」

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 アビスパ福岡サポーターの皆さん! 昨季途中からスタートした企画「行くぞ!アビスパ!」を今季も随時掲載します。5年ぶりのJ1の舞台に燃えるチームは、本拠地ベスト電器スタジアムで行われる28日の名古屋との開幕戦に向けて準備を進めています。20年以上にわたってチームを取材しているフリーライター島田徹氏(55)のコラム「“福岡”を語ろう」ではコロナ禍で調整を進めるチームの現状を分析してくれました。

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 2週間弱の宮崎キャンプを終えて福岡・雁の巣での練習を再開した10日、長谷部茂利監督は「成長できた」と宮崎での時間を振り返りながらも「現状はまだまだの段階」とも話しました。

 サイドの打開で力を発揮するはずの新戦力のアタッカー、ジョルディ・クルークスはコロナ禍で入国ができない状況。また7人目の外国籍選手となる新加入のカウエが練習に参加したのは、開幕まで残り2週間となった16日でした。

 5年ぶりのJ1での戦いを楽しみにしている方なら「大丈夫か?」と敏感になってしまうのはある意味、当然の反応かもしれません。ただ、こういう捉え方もあります。

 長谷部監督の「まだまだ」という言葉には「もっと良くなる」との確信と自信を感じます。個の力ではなくグループとして戦うスタイルにおいて、コンビネーションの構築にある程度の時間がかかるのは当然のこと。多くの新戦力がいるとなればなおさらです。

 しかし、攻守にアグレッシブに戦う、またゴールとボールに対して主体的に動いていく「アビスパスタイル」を昨季、表現してきた既存選手が数多くいることを忘れてはいけません。長谷部監督も「戦術を既に理解している選手が新しい選手に伝えている部分もあるので、去年よりも“チームになる”のが早いのではないかと思っている」と語り、ここから仕上がりの速度が一気に増す可能性を示唆しています。

 カウエに関しては過去3シーズン、Jリーグでのプレー経験があり、福岡に来る前のポルトガルで通常シーズンを戦っていたのでコンディションに不安はなく、実際に16日の初練習では軽快な動きを見せていました。

 「ボール奪取力に優れるばかりではなく、得点にも絡める」と長谷部監督が評価するカウエの加入は、選手層の面で若干物足りなさを感じていたボランチの競争を一気に高める意味でも、大きなプラス材料にほかなりません。

 合流が遅れているクルークスですが、昨季いなかった左利きのアタッカーであることから、チームとしてピッチに絵を描く際に、相手ゴール前への進入角度や手段の変化という意味で期待できますし、いつからピッチに立つか分からない秘密兵器は相手には脅威となるはずです。

 コロナ禍で行われた昨季の影響で、今季は4チームがJ2に自動降格する厳しいシーズンですが、昨季の1年で「アビスパスタイル」のベースが確立できていることや、攻守で効果的な補強ができたこと、ここまで大きな負傷者も出ていないことなど総合的な観点から、見ごたえのある戦いを数多く見せてくれる2021年シーズンになると考えています。

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

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