「やめさせましょう」ソフトバンク紅白戦でまさかの事態 ユニホーム着替える選手も

西日本スポーツ 倉成 孝史

 ◆ソフトバンク春季キャンプ(20日、宮崎・生目の杜運動公園)

 好調な若手野手陣によるハイレベルなアピール合戦が繰り広げられている工藤ホークスに、対照的な不安材料が露呈した。今キャンプ3試合目となった紅白戦は、若手投手陣が大乱調。昨季1軍を経験し今季の飛躍が期待される投手らが乱れまくり、予定イニングを投げ切ることができず、試合はまさかの強制終了となった。ここまでの若手野手陣の強烈な突き上げは、今季だけでなく「V10」への道を明るく照らしてきただけに、若手投手陣の奮起が見えない現状は首脳陣にとって頭の痛いところだ。

 捕手後方の椅子に座り、試合を見守っていた工藤監督がゆっくりと立ち上がると、防球ネット越しにマウンド方向を見つめながら、横に並んだ小久保ヘッドコーチと会話を始めた。バックネット裏からその表情はうかがい知れないが、笑顔だった可能性は極めて低い。6回表に津森がようやく3アウト目を取ると、平石打撃コーチが球審のもとへ。当初6回裏まで予定されていた紅白戦がまさかの“強制終了”となった。

 野手陣にとっても貴重な実戦機会ではあるが、若手投手陣の乱調が途中打ち切りの事態を招いてしまった。5回。白組の4番手として登板した尾形が乱れた。先頭への四球に、けん制悪送球、2長短打、さらには自らの暴投で3失点。あまりの乱調ぶりに、紅白戦では珍しく投手コーチがマウンドに駆け付けたが、2死後には周東に左前打を許すと、再び一塁へのけん制悪送球でピンチを広げた。

 「尾形君は、投手コーチからも『やめさせましょう』と」。工藤監督が説明したように、本来2イニングの登板が予定されていた尾形は、5回表を投げ終えたところで降板となった。この事態を受け、6回表のマウンドには紅組で6回裏に登板予定だった津森が、急きょ白組のユニホームに着替え登板。津森が6回の表裏の「2イニング」を投げれば、試合は予定通り6回裏まで行えていた可能性もあったが、2年目の飛躍が期待されるその右腕も乱れた。

 急きょの登板変更があったとはいえ、津森も3長短打に2四球が絡み1イニングで一挙4点を失った。工藤監督は「紅白戦となると、なかなかインサイドの厳しいところを攻めるのは難しいところはある」と、内角攻めが持ち味の右腕をまずはかばった。一方で「ちょっとストライクを取るボールが甘いというところはあった」と、昨季1軍で14試合の登板経験がある右腕に、厳しい言葉も忘れなかった。

 対外試合も始まっていない調整段階ではあるが、特に今春は若手野手陣がハイレベルなアピール合戦を続けているだけに、この日の若手投手陣の乱調は首脳陣にとって頭の痛いものとなったはずだ。報道陣の前では冷静に言葉を選びながら取材に応じた工藤監督だが、試合後には投手コーチと険しい表情で会話を重ねていた。若手野手陣の鼻息の荒さが生む激しい競争には「うれしい悩み」と連日笑顔を浮かべている指揮官は、若手投手陣の奮起を切に求めている。 (倉成孝史)

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