苦しんだソフトバンク武田に輝きが戻った…なぜ魔球はよみがえったか

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆練習試合 ソフトバンク0-0ロッテ(25日、宮崎アイビー)

 福岡ソフトバンクの武田翔太投手(27)が開幕カードで対戦するロッテとの練習試合(宮崎アイビー)に先発し、3回1安打無失点と2年ぶりの開幕ローテーション入りに向けて好投した。投球の組み立ての肝になったのは代名詞でもある縦に大きく割れるカーブ。肉体改造により出力が増して力みが抜けた投球フォームになったことで制球力が向上。よみがえった魔球を武器に、残り三つとなった「枠」をつかみ取る。

■31球中11球

 武田は力が抜けていた。「135キロぐらいのフォームで、140キロ中盤を投げるイメージ」。表示される球速以上に、打者の体感速度を速く感じさせる投球術がはまる。

 初回、藤原への144キロでいきなりバットを折った。1死一塁からも中村奨のバットを143キロの直球でバキッと根元からへし折り、併殺打に打ち取った。最速154キロを誇る右腕が140キロ台中盤の直球でも押し込み、好投できたのは「ギャップ」に加え、代名詞のカーブの存在があったからだった。

 中村奨には初球から3球続けてカーブを投げ、残像を植え付けていた。2回は菅野に1ストライクから2球続けてカーブが外れてボールが先行したが、制球に自信が戻ったカーブをさらに続けて打ち取った。

 3回を投げて許した安打は1本、四球も与えず9人で料理した。投げた31球のうち11球がカーブを占めた。「カーブを相手打者にケアさせないといけない。カーブは僕の生命線」。宝刀がよみがえった。

 10年目を迎えた武田は今季を「分岐点」と位置付け、昨シーズン終盤から筋肉量を増やし、体の柔軟性も求める肉体改造に取り組んできた。体重はその間に7キロ増し、現在94キロ。「今までの10割を7割ぐらいでバランス良く投げて、同じ出力を出せるように」。力みが抜けたことで、カーブの制球力が増した。進化の過程で、効果がはっきり出た形だ。

■監督も絶賛

 ルーキーから先発を託され2015、16年に2桁勝利を挙げた右腕は18年以降、リリーフも経験。短いイニングで相手を圧倒しようと、力みが入るようになった。その結果、得意のカーブも制球が乱れ、直球やスライダーに頼らざるを得なくなる悪循環に陥ることが度々あったという。

 「一時期曲がらなくなった時もあったけど、良いカーブの時は1回浮いてポンと落ちてくる」。そう武田特有のカーブを評する工藤監督は「カーブも含め緩急も使えて、キャンプで投げた中でも一番良かったんじゃないかな」と圧巻の投球をたたえた。

 石川、高橋礼、和田に続く開幕ローテ枠の残りは三つ。「若い投手も多いけど負けられない。彼らより若いつもりでアピールしていく」。最大の武器がよみがえった背番号18が、ギラついている。 (鎌田真一郎)

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