再起へ打ちまくるソフトバンク上林で思い出した「あの言葉」

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 ◆練習試合 ソフトバンク0-1オリックス(27日、宮崎市清武)

 オリックスとの一戦は、工藤監督にとっても投打に「明暗」の分かれる内容だったのだろう。試合後の言葉を聞いていると、そう思わずにはいられなかった。

 投手陣は開幕3連戦に先発する石川、和田、高橋礼が3イニングずつを投げ、計1失点と順調な仕上がりを見せた。これには各投手の評価ポイントを挙げ、賛辞を惜しまなかったのに、計6安打で無得点に終わった打線には苦言を呈していた。

 無理もない。野手陣はチームの底上げを図るべく、今回のオリックス戦は若手主体のメンバー構成でチャンスを与える方針に対し、肝心の若手から主力を押しのけてやろうといった気概を感じられなかったのだろう。出てくる言葉も、表情も、どこか寂しげだった。

 そんな中、やっぱり違うぞと思わせたのが、3番右翼で先発出場した上林だ。2打席目に山本の初球149キロ直球をきっちり中前へはじき返すと、4打席目には左腕の山田から右前打を記録。ソフトバンクの出場野手で唯一のマルチ安打と気を吐いた。

 「(1本目は)日本のエースというか、由伸(山本)から打てたので、自信を持ってやっていきたいし、あの1本で終わらず、2本目を打てたことが自分の中では収穫。(安打を1試合で)2本打たないと打率も残っていかない。そこも意識してやっていきたい」

 今春は紅白戦3試合、練習試合4試合の実戦計7試合で全て安打を放った。打率は5割3分3厘(15打数8安打)と好調を維持し続ける。リーグトップクラスの守備力を考えると、やはりレギュラーで試合に出続けなければならない選手なのは間違いない。

 昨年の契約更改で、上林は「どうしても完璧主義な面があって自分を苦しめる。これからは自分に優しくなりたい」と言った。なぜ、その言葉を急に思い出したか。それは山本からの中前打を振り返る言葉にあった。「当たりは完璧じゃなかったけど、安打になったということはいい状態なのかな」。ここ2年は大不振でも2018年に22本塁打を放った。自分に優しくなった背番号51の“再起”から、目が離せない。 (石田泰隆)

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