J1福岡5シーズンぶり勝利お預けも「やれないことはない」前主将が感じた手応え

西日本スポーツ 松田 達也

 ◆明治安田J1第1節第2日 福岡1-2名古屋(28日、ベスト電器スタジアム)

 5年ぶりのJ1初勝利はお預け-。開幕戦をホームで迎えたアビスパ福岡は、昨季3位の名古屋に1-2で敗れた。序盤から苦しい展開となったが、2点を追う後半途中から出場した金森健志(26)が奮闘。持ち味の突破力で後半37分に相手のオウンゴールを誘い、チームに今季初得点をもたらした。再びホームで対戦する3日の札幌とのYBCルヴァン・カップ開幕戦で今度こそ白星をつかむ。

前半4分に失点

 同点、さらに逆転を信じるスタジアムの空気を変えた。2点を追う後半37分。5年ぶりにJ1に返り咲いた福岡に今季のチーム初得点が生まれた。右サイドを抜け出した金森のシュートを防ごうとした相手DFのオウンゴール。そこまでの完敗ムードを吹き飛ばした。

 「流れを変えるのが自分の仕事。サポーターの後押しを力に変えて逆転したかった。勝てなかったことが悔しい」。福岡の一員として5年ぶりに復帰した金森は、観客席からの温かな拍手に感謝を示しながらも表情は渋いままだった。

 後半途中の金森の投入で攻勢が強まり、終盤に相手が守りの意識を強めたこともあり、攻め手を見いだした。再三ゴール前に迫る攻撃で意地を十分に示したが、名古屋の安定した組織力、高い個人能力にはね返される。「J1の壁」を早々に味わった。

 昨季のJ2でリーグ最少失点の堅守が崩された。開始4分。前線に上がった右サイドバックの背後を突かれたカウンターを受け、最後はドリブルですり抜けるマテウスの個人技を抑えきれず、先制された。後半10分はゴール前のクリアミスを再びマテウスに決められた。

 序盤でサイドを破られる警戒感を植え付けられたチームは、攻守のバランスを崩された。ボランチの前主将は「前から守備にいきたかったが、立ち上がりの失点で、DFラインが少し引いてしまった」と悔やんだ。

 複数失点は昨季のJ2でリーグ戦42試合中7試合だった。J1で初めて指揮した長谷部監督は「スピード、技術はJ2とだいぶ違う。映像も見ており、個人能力が高いのは分かっていたこと。これから、そういう選手と対戦していかないといけない」と振り返った。

 厚い守備網をどう打ち破り、強い個をどう封じるか。「5年周期」の負の歴史と決別するためには乗り越えなければいけない難題だ。前主将は「やれないことはない。あまり悲観せず、自信を持ってやりたい」と力を込めた。教訓を生かし、通用した部分に磨きをかけた先にお預けとなった白星が待っている。 (松田達也)

   ◇    ◇

ブルーノ不発悔しいデビュー

 得点源として期待される新戦力のブルーノメンデスは悔しいデビュー戦となった。2トップの一角で先発。後半33分には右からのクロスを頭で合わせながら、ポストに阻まれた。放ったシュートはわずか2本ながら、それがチーム全体のシュート数。ポストプレーやクロスへの反応などでは高い能力の一端を示した点取り屋は、次戦こそゴール量産を狙う。

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シュートで終わるのが最大の防御/中払大介

 昨季J1最少失点の名古屋に決定的なシーンさえ、つくらせてもらえなかった。後半のブルーノメンデスのヘディングシュートは惜しかったが、これも完全なフリーにはさせてもらえなかった。

 福岡のシュートはわずか2本。J2では劣勢でも高い位置を取ったサイドバックからの効果的な攻撃で得点ができていたが、名古屋はそこを狙ってきた。特に昨季J2アシスト王のサロモンソンの右サイドの裏を突かれ、前半の早い時間帯に失った1点目はまさにその形だった。

 シュートで攻撃を終わらせなければ逆にカウンターを食らってしまう。サイドから上がるタイミングや味方選手との連係を工夫し、シュートで攻撃を終わらせることが最大のリスク回避となる。

 完敗だったが、J1の優勝を狙うチームのスピード、能力を開幕戦で体感できたことを前向きに捉えたい。2点目はJ1では致命傷となるミスで失ったが、前半の失点後は名古屋のスピード、距離感に対応できていた。

 (降格した)2016年は初勝利は8試合目だった。早い段階で白星をつかみ、自信をつけることができればJ1で十分に戦うことができる。 (西日本スポーツ評論家)

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