ソフトバンク田中正義にみなぎる自信、覚醒の兆し

西日本スポーツ 石田 泰隆

タカ番記者コラム「好球筆打」

 1カ月に及んだ宮崎でのキャンプを終え、チームは本拠地福岡へと戻った。この1カ月。当コラムでは一切触れることはなかったが、あちこちで「今年はいい」「やっぱりモノが違う」といった高評価を受けていた選手がいた。B組(2軍)でキャンプをスタートし、同組のまま終えた、プロ5年目の田中だ。

 ブルペン投球を視察したという永井編成育成本部本部長兼スカウト部部長が「本来持っているボールの強さが今年はある。ボールが打者に近づくにつれ、バーッと大きくなるイメージ」と話せば、実際に球を受けた2軍の杉田ブルペン担当は「ホームベースの手前でグンとさらに勢いを増す球が来ていた。あれは1軍でも十分通用する球だね」と驚きを隠さなかった。

 田中は右肩に故障歴を持つため、今キャンプのブルペン投球は1クールに1回程度だったという。1回に投げる球数も最高で70球ほどだったそうだが、これは故障再発を恐れる球団が慎重に調整を進めさせた結果だという。今月中には実戦登板も予定されているようで、段階を踏んで状態を上げていくのが狙いだろう。

 では、実際に田中本人はどんな手応えを今キャンプでつかんだのだろうか。すこぶる高い周囲の評価と自己評価が一致すれば、楽しみな選手がまた一人増えるのだが、こちらの想像の上を行く返答だった。

 「自分の評価とか、もうどうでもよくって。投球フォームをこうしなくちゃいけないとか、ここが痛いからちょっと投げられませんとか、そんなことを言っていたら上(1軍)のマウンドに上がるのは来世になる。もう、そういう考えをするのはやめました。大事なのはあそこ(マウンド)で何をやるのか。思い切り投げる。それだけなんです」

 今までの田中は言動の全てにおいてどこか自信なさげに映っていたが、完全に覆された。抽象的で申し訳ないが言葉に魂が宿っているというか、端々に自信がみなぎっていた。2016年のドラフト会議では5球団が競合…なんて書き古された表現はもうどうでもいい。1軍のマウンドで躍動する姿が見たい。ファンも田中の覚醒を切望しているに違いない。 (石田泰隆)

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