北京でメダル狙う熊本出身スノボ女子「五輪あまり好きじゃない」乗り越えて

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 スノーボードのパーク系種目の世界選手権(米コロラド州、10日開幕)で、2018年平昌五輪代表の鬼塚雅(星野リゾート)=熊本市出身=が、女子ビッグエアで金メダル、同スロープスタイルでもメダル獲得を狙う。今年1月には女子ビッグエアで初めての大技を成功するなど上り調子。福島県にある自身専用コースを“虎の穴”として練習を重ね、最終目標に掲げる来年の北京五輪での2冠に弾みをつける。

「準備できている」

 北京五輪を約1年後に控え、鬼塚が勢いに乗ってきた。1月に米コロラド州アスペンで行われた冬季Xゲームでは女子ビッグエアで2位。逆スタンスから斜め軸に縦2回転、横3回転半する大技「キャブダブルコーク1260」を女子で初めて成功させた。

 「平昌五輪の1年前に比べて準備はかなりできている」。手応えを胸に臨む北京の前哨戦となる世界選手権。力強く「ビッグエアで金メダル、スロープスタイルでメダルを目指す」と宣言した。

 16歳で世界選手権女子スロープスタイルを制し、日本女子初、大会史上最年少で金メダルを獲得。メダル候補として臨んだ平昌で待っていたのは、屈辱の結果だった。

 スロープスタイルでは強風に苦しんで19位に沈み、続くビッグエアも8位。思わず「五輪、あんまり好きじゃないな」とこぼしたほどだった。「燃え切った。そこを目標にしていたので、次の4年後(の北京)は遠く感じて空っぽになった」と振り返る。

 平昌翌年の18~19年シーズンは「自分がうまくなることだけにフォーカスしていた」。心機一転、スノーボードを8歳から契約する米国の会社製から他社製に変更。専属トレーナーについて筋力トレーニングも新たな方法を学ぶなど「いちかばちか」でつくり直した。

 北京への挑戦を決断すると平昌での反省を生かし、計画的に強化。前回は五輪シーズンだった新技習得を1年前倒しして、完成度を高めている。

恵まれた練習環境

 所属先からも後押しを受ける。星野リゾートが運営する福島県の「アルツ磐梯」に2月、鬼塚専用の練習コース「Miyabi Park」を造成してもらった。コロナ禍で減少した海外遠征や合宿を補う国際大会仕様の“仮想・世界選手権”コースで最終調整を行う。恵まれた練習環境に「もっと頑張らないといけない」と感謝し、「北京五輪で二つ金メダルを取れるように、1年頑張りたい」。雪上競技で五輪のメダル獲得となれば、九州出身者で初となる。火の国生まれの22歳は「雪の女王」へ、立ち止まることなく突き進む。 (伊藤瀬里加)

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