4戦10失点でも守備は崩壊していない J1福岡の全失点を分析

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 5年ぶりのJ1の舞台でアビスパ福岡が苦しんでいます。開幕からリーグ戦とルヴァン・カップの計4試合でまだ勝利がありません。しかも全試合で複数失点と、昨季の強みだった堅守が影を潜めています。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(55)によるコラム「“福岡”を語ろう」の今シーズン第2回では、失点の内容を分析し、守備面の課題を探りました。 (随時掲載)

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 10日の横浜M戦でリーグ戦3試合、ルヴァン・カップ1試合の計4試合を消化しました。リーグ戦第2節の清水戦で引き分けによる勝ち点1を獲得したものの、いまだ勝利がない状況を心配するサポーターの方が多いはずです。特に、昨季のチームの武器となった堅守を表現できていないことが気にかかる方が多いのではないでしょうか。

 4試合で計10失点。スコアだけを見れば「守備崩壊」と表現されても仕方がありませんが、試合内容を詳細に見れば否定したくなる表現です。

 10失点のうち守備網を破られたと感じる失点は第1節の名古屋戦の1失点目、マテウスに自陣右サイドをドリブルで切り裂かれたものと、前節の横浜M戦の3失点目、自陣左サイドからのクロスを前田に頭で合わせられた2ゴールくらいです。

 ハンドの判定によるPKを与えての失点がルヴァン・カップの札幌戦と横浜M戦の二つ。あとは個人の技術的なミス、味方同士の連係ミスが原因となったのが5失点。清水戦の1失点目、カルリーニョスジュニオのミドルシュートは寄せが甘かったとも言えなくもありませんが、相手の高い技術で奪われたものでした。

 明らかにJ1での戦いに硬くなった初戦の名古屋戦はともかく、その他の試合では福岡の売りである組織的な守備を崩されての失点は少なく、特に横浜M戦の前半で見せた、組織的に非常によくまとまり、かつボールホルダーに対して能動的に寄せていくアグレッシブな守備を見た皆さんなら「崩壊」という言葉が持つイメージに違和感を覚えるのでは?

 当然、ミス絡みの失点はなくさなければいけません。ただし、ミスをしないように慎重に、という話にならないのが今の福岡のスタイルです。長谷部茂利監督も「ミスの中にはチャレンジしにいって起きたものもある。その姿勢は否定したくない」と言っています。挑戦的プレーなくして「アグレッシブに戦う」というアビスパスタイルの確立はありませんからね。

 ではミスを減らすために何をすべきか。長谷部監督は「映像を見せながら皆で共有し、コーチングスタッフから言い続け、選手は感じ続け、練習でやり続けて、少しずつ良くしていくしかない」と言います。

 横浜M戦で今季リーグ戦初先発を果たしたセンターバックの宮は「ミスが出た次にどうアクションできるか、みんなが常にアラート(警戒態勢)な状態を保ってやることが大事」と言います。つまり、ミスを受け入れ、向き合い、カバーし合いながら、ミスを限りなくゼロにする努力を継続するしかないということでしょう。

 「自分たちのスタイルを信じてやり続けるしかない。その重要性を去年実感しましたから」との田辺の言葉に同感です。皆さんは?

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

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