剣道日本一の22歳筑波大生、卒論は「マスク」

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

 全日本剣道選手権(14日・長野市ホワイトリング)

 前回大会2位で22歳の松崎賢士郎4段(筑波大)が初優勝を飾った。学生の優勝は2014年の竹ノ内佑也(筑波大)以来。準決勝で大学の同期、星子啓太4段を破り、決勝では大学の先輩、村上雷多5段(大体大教)から面と小手を決めて2本勝ちした。

 大学最後の大会で、松崎が“シルバーコレクター”を返上した。19年度は全日本選手権をはじめ、全日本学生選手権(個人戦)、全日本学生優勝大会(団体戦)と主要大会はすべて2位。悲願の日本一だ。

 「決勝の壁を味わい続けた大学生活だった。最後の大会で乗り越えられたことは自信になった」。

 準決勝で星子に延長戦の末に1本勝ち。決勝は村上から1本を先取し、2本目は相手の起こりを捉えて出小手を決めた。美しい、正統派の剣風で、前回大会は面を軸に決勝まで勝ち進んだ。警察官不在の中、今大会は優勝候補の一角。ライバルたちに研究されても、効果的に小手技を交えて的を絞らせなかった。

 長崎県諫早市出身の松崎は島原高3年時に玉竜旗で準優勝、国体で優勝。筑波大でも熊本・九州学院高出身の星子らと活躍を続けてきた。

 最終学年の今季はコロナ禍で学生の大会が中止。「今年にかけている部分は大きかったので…」と、ショックはあったが、剣道への情熱を失うことはなかった。指導する筑波大の鍋山隆弘監督は松崎、星子らの姿勢に驚く。「学生の大会がなくなったと聞いても腐らず、稽古に熱が入ってバンバンやっていた。大会があるから頑張るのではない。強くなりたいからだった」と目を見張った。

 剣道への探求心は、技術面にとどまらない。大学の卒業論文のテーマは「剣道用マスク」。現在、全日本剣道連盟はガイドラインで競技中にマスク着用を義務づけている。松崎は快適なマスク素材を調べるアンケート調査を実施。6~7種類の素材を試し、ユニクロの機能性肌着「エアリズム」のTシャツを使って自分で作成したこともあった。今大会は、「7月くらいから使用して、慣れていた」というポリウレタン素材のマスクを着用して臨んだ。

 今春から大学院に進学し、剣道に関わる研究を行う予定。「剣道をより専門的に研究し、競技者としても道を究めたい」。もっと奥深く、剣の道を追求し続ける。(伊藤瀬里加)

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