いきなりFW足りない苦境でも…福岡が調子を上げてきたワケ

西日本スポーツ

【アビスパ取材20年超 ライター・島田徹コラム】

 アビスパ福岡が調子を上げてきました。ここ3試合で2勝1分け、しかも2試合連続の無失点。昨季のJ2で強みだった堅守が戻ってきたのも明るい材料です。アビスパ取材歴20年以上のフリーライター島田徹氏(55)によるコラム「“福岡”を語ろう」の今シーズン第3回では、好調の要因に戦術、精神の両面でチームに一体感が生まれてきた点を挙げています。(随時掲載)

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 J1では5年ぶりとなる鳥栖との九州ダービーの結果はスコアレスドロー。前半15分すぎから鳥栖にボールを握られ続けた展開を考えると、勝ち点1でも十分な結果だ、と感じたサポーターの方も多かったのでは?

 第4節の徳島戦と第5節の鹿島戦での連勝が「2」で止まったことは残念ですが、この九州ダービー前まで開幕戦から4勝1分け負けなしの鳥栖から勝ち点を収めたことはプラスに捉えられますし、何より鹿島戦から続く“緊急事態下”で「勝ち点4」をゲットしたことは大きく評価すべきでしょう。

 鹿島戦と鳥栖戦では本来センターバックを務める三国がFWで先発。これは戦術的な起用というよりも、単に駒不足が理由だと考えられます。

 クラブからの正式リリースは出ていませんが、第3節の横浜M戦の前半37分に足を引きずりながら交代したファンマ、徳島戦のウオーミングアップ中に筋肉の張りを訴えて先発から外れたブルーノメンデス、その代わりに急きょ先発し、前半のみで交代した城後の3人が鹿島戦と鳥栖戦のメンバー外になったのは、負傷かもしくは何らかのコンディション不良で出場が不可能であったからだと考えられます。

 スクランブル発進となった三国は鹿島戦で相手選手の退場処分を誘うプレーを見せ、鳥栖戦ではポストプレーと懸命な守備を披露しましたが、本職とは異なる仕事ですから、チーム全体としてのバランスは多少の乱れが生じるものです。しかし緊急事態下との共通理解を持ち、他の選手が十分なサポート意識を発揮して、チームとして見事な調整力を発揮しました。

 この調整力は一体感という言葉に置き換えていいのかもしれません。長谷部茂利監督が鹿島戦の勝利後、「チームになってきた」と言ったのは、戦術、精神の両面で一体感を伴ってきた、との意味でしょう。

 そんな一体感の醸成とともに、チームの持ち味である堅守が戻ってきたことも皆さんお気づきでしょう。第3節まで毎試合となる複数失点で計7失点を喫していましたが、ここ3試合は鹿島戦と鳥栖戦での連続無失点を含む1失点に抑えているのです。昨季J2でチームの代名詞となった堅守をワンランク上のJ1の舞台でも実践できるところまで来たのは成長、進歩と言えるでしょう。

 ルヴァン・カップを含め、試合間隔が短い過密日程の計7試合で、リーグ戦2勝2分け2敗の成績もまずまずと言えます。21日の鳥栖戦を終えた時点での暫定順位は10位です。開幕前に長谷部監督が掲げた目標順位につけていることも踏まえれば、5年ぶりのJ1での序盤戦は悪くない、新年度4月からの戦いに期待が持てる、と思うのですが、皆さんは?

 ◆島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

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